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「うむ!俺が藤岡家の養子に入るという手もあるし…」
「藤岡環。家庭運大凶。道楽の末離婚に至る」
ネットで姓名判断をしているらしいが、それが本当かはいまいち分からない。が、環は一々それに反応して新たな案を出していく。
「そーだ!ハルヒ・ド・グランテーヌ!これなら画数にとらわれる事もなく…」
「ハルヒって弁護士になりたいんだっけーそんな仰々しい名前じゃ大変そー」
「わァー!いいよじゃあ!夫婦別姓でも!なんだよイジワルばっか言って!決着のついた男の勝負じゃないかぁ!」
「決着ついたって誰がいつどこで言ったんですかぁ〜大体ねぇっハルヒにはっきり好きだって言われたワケ!?勘違いで浮かれてる男って超タチ悪いよ!キモイ!ストーカー!女の敵!」
二人が言い争いを始めたと思えばそれはピタリと止まった。環の顔は落ち込むどころか、また憐れみの表情に変わった。
「…俺を罵ることで光の気が済むのなら…」
「………!!!!コロス!今すぐコロス!」
環は仕方ない、と言う目だ。こちらが幸せなのだから。
「光落ちついて!光が犯罪者になったら顔がそっくりな僕はどうしたら!」
光はプルプルと震えながらケーキ片手に環に当てるつもりらしい。
「ヒカちゃんケーキはだめぇ!」
「離せ!一時でもアレに負けてると思ってた自分が憎い!もはやハルヒがどうとかじゃない!僕は!僕はなあっ!人としてあんっっっなバカに負けるのだけは許せないんだぁー!」
「もう!光は落ち着きなさい!環もそのニヤニヤは光の怒りを煽るだけなんだから――…!」
そんな光景を見てやはり鏡夜は小さな笑いを零していた。
「鏡夜先輩も笑ってないで止めてよ!大体鏡夜先輩がトラウマの言いだしっぺじゃん!」
「そーだよ!ケーキ!ケーキが!」
「…悪い。でも、すっかりいつもの空気だと思ってね」
そんな声はきっと鏡夜にしか聞こえていない。それでも鏡夜は良かったのだ。
「殿!くらえ!ケーキ爆弾!」
「それだけはだめぇ〜!」
「よーし!お歌の練習もう一回しとこっかな〜?」
「聞けー!」
「あぁ!もうッ!皆行動止めなさいっ!光はまずケーキを置くこと」
竜胆はピシッと立てた指を光へ向けた。
「「一番がソレかよ」」
「それで何が悪いのよ!食べ物を粗末にしちゃだめだって何回言えば分かるわけ!?」
「りんちゃんも落ち着いて〜」
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