138 (2 / 2)



《板前芸人っていう…包丁さばきを活かした新ジャンルを…》

それを聞いて竜胆は声を出して笑った。電話からはまた別の笑い声が響いていた。

《《板前芸人なんじゃそら!》》

「未知ジャンル過ぎるわ…!」

《ケーキも切れるかなあ〜》

《なるほど…確かにそれはお母君に同情するな…》

《…男気》

久しぶりのホスト部電話会議。でも、なによりも嬉しかったのは鹿谷の本音と環が本気で笑う声。

《おっ…おまえら!?》

《《あー予想外すぎて笑った――!サイコ――☆》》

「流石にこれは想像出来なかったわっ!」

《お題をクリアしたならさっさとゴールしろ》

《タマちゃんの笑い声久々に聞いたらおなかへったねえ〜》

《カレー…》

そう、本当はトラウマなんて関係無かったのよ。履き違えていただけ。ただ大切で、失うことを恐怖する程に大切な仲間達がいるだけ。

《《そーだヨ、早くカレー作れ〜》》

《タマちゃん、甘口ね甘口☆》

《…辛口》

「私はグリーンカレーがいいわ」

《というか走れ、おまえ達実はビリに近いぞ》

《ああもう!うるさいうるさい!同時に喋るな!》

環の怒鳴り声も久々に聞いたわ。やっぱりこれがなきゃだめなのよ。だからこそ皆面白がって話すんじゃない。でも気付いたのね、ようやくよ。長かったわね。でも、環も成長していた、皆と同じ様に世界を壊しては広げて繋がりに気付くのね。竜胆は笑いながら携帯を閉じた。




[prev] [next]
[bkm] [TOP]
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -