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3学期も始まり、新年最初のホスト部活動でございます。本日は野外にて乗馬スタイルでお届けいたします。

「いらっしゃいませ」

「鏡夜様☆久々の部活動で嬉しいですわ☆」

「寒い中御参加頂きありがとうございます、本日の企画は馬術部協力の下実現する事ができまして」

だけれど何で馬なのだろうか。いや、悪くはないんだけれども。

「ホスト部の皆様は乗馬のご経験が?」

「ええ、若干一名以外はそれなりに」

若干一名とは言わずとも分かるお嬢様方でした。

「でも、一番の経験者はあの二人でしょうね」

馬に乗り颯爽と駆けるのは崇、それを追い抜く早さの激走ポニーに跨った光邦。

「牡丹の君は――…まぁ、すごい好かれているわね!」

何でか分からないが先ほどから馬が竜胆の隣を離れようとはしなかった。体を摺り寄せ、竜胆が撫でれば嬉しそうに鳴くのだ。これは自分から動物フェロモンが出まくっているに違いないと小さな溜め息を吐きながら竜胆は馬を撫でた。それから残念な事にアクティブハルヒちゃんはいなくなっていた。無理をしない程度に自分らしくやっていくと決めたらしい。

「「何かあったワケ、ハルヒは」」

「誘拐事件を引き摺っていないようなのは何よりだけどな」

「うーん…じゃあさ、タマちゃんは…?」

その言葉に皆は視線を環に移した。

「…環には何かあったみたいですね…」

遠く離れた所で馬の綱を引く環。憂いに満ちた顔。冬休み明けて大人びた、物思いにふけっているとお嬢様達には人気の様だが。ちなみに環はいつものように騒ぐ事はない。しかもそれは部活中だけではない。いつもなら笑顔で返すお嬢様達の挨拶も、聞こえていないように窓辺で佇んでいた。

「ついにハルヒへの気持ちを自覚したとようだと言ってなかったか?光は」

「…あー…そう見えたんだけどなあ…ハルヒの危機でその存在の大切さに気付いたってパターンかと」

「誘拐事件からタマちゃんの様子がおかしいのは確かだしねぇ…」

環の理解に苦しむ面々。環の思考回路は誰にも理解出来なかった。

「そういえばさー今日の企画って殿が発案なんでしょ?」

「ああ…なにやら急に“馬が見たい”と言い出してな」

だからどうして馬なのか、が問題である。それに驚いたのは崇だった。崇は深刻そうな顔で小さく呟いた。

「…つい先日環が…トラのいる動物園を教えてくれと」

「トラと馬…」

――!?!?トラとウマ。誰もが驚いた。え?どういう事?え?ダジャレ!?やはり理解に苦しむ…!


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