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竜胆と鏡夜は歩いていると、それはすぐに見つかった。やはりどこにいても目立つメンバー達。光の声は大きく通ってきた。

「…ハルヒに聞いたの?フラれたって」

「まあハルヒ見ててもわかるけど、詳細はハニー君から電話もらったけど?」

「連絡網で回ってきたんだよ〜!」

どこからともなく聞こえた声に光は振り返った。そこには光邦、崇、そして鏡夜と竜胆の姿があった。

「連絡網で!?」

「というより伝言ゲームの要領だな」

「そうだったの?伝えてと言われたから伝えたのだけれど」

「伝言ゲーム!?人の失恋という一大事を!?」

光の視線は主犯である馨に向いていた。

「だってあんなに堂々と告白しました宣言しておいて結果わからないと皆気ィつかうし〜?」

結果は聞かずともだいたいは分かっていたが、連絡網は馨→竜胆→鏡夜→崇→光邦→メイと続き、それはどこも違う事なく最後のメイまで伝わっていた。

「…まぁいいよ。どーせ諦めないし。殿が自覚してからが真の勝負だしね!」

「おおっ太っ腹!だから挑発してたんだ〜〜!」

「光カッコいい!」

「光、男の中の男ね!」

皆の声に光は得意気にピースサイン。

「まーね!見なよ!この宇宙レベルの心の広さ!もはや“漢”と書いて“ヒカル”と読んでくれても構わない…!」

おぉ!それはすごい!と皆感動して、人力車をひいてくれ、ピアス買ってくれ、たいやき買って、というが自分で買えと怒った光の宇宙はとても狭い事を知りました。

「あ、メイちゃん。さっき恋愛成就のお守り買ったからあげる〜」

「ありがと!」

そしてゲームは再開し、再び解散し各自ハルヒが好きそうな物を選び一時間後に待ち合わせ場所に戻ったは良いが、走ってきた環は突拍子もない事を口にした。

「ハルヒが誘拐されたァ!?」

「…そうだ」

息を切らす環は嘘を言うようには見えない。確かに隣にハルヒはいない。そもそもこの1時間の間にハルヒを見たのは環だけだった。それに対して皆は焦りを感じていた。

「どういう事だよ殿!」

「わからん!」

「犯人は!?見たの!?さらわれるトコ見たの!?」

「わからん!しかし携帯に何度も電話しても出ない!」

「落ち着きなさいよ、環。どうしてハルヒちゃんが誘拐されただなんて思うわけ?」

見てもいないのにどうして断言出来るのか、それを聞かなきゃこちらも納得は出来ない。


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