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「あんたってホントそーゆーデリカシー無いよね!同じ女なら竜胆君を見習いなよ!」
「デリカシー…そうかも…ごめん」
そういうハルヒはやはりシュンとしていた。大した話を聞いていないメイでも何について悩んでいるのか分かった。
「…何、光君の事?」
「うん…ねえメイちゃん。自分てニブイのかな…」
「ニブイっていうか無神経っていうんじゃないのそこまで行くと。ニブイっつーかただの無関心!超失礼!」
その言葉にハルヒは壁に手をついて落ち込んだ。そこに飲み物を持ってきた竜胆は再び苦笑いだ。
「でも、それがハルヒちゃんでしょう?ハルヒちゃんは光に言われてどう思った?」
「光に急にあんな事言われてすごくびっくりしたけど…最近光ずっと様子がおかしかったのに何で気付けなかったのかな」
だったとしたら自分はかなり無神経な事をしてしまったとハルヒは再び落ち込んだ。
「人に好きになってもらうって凄い事なのに今まで何も分かってなかったかもって…」
「ハルヒちゃん。いくらハルヒちゃんが光の気持ちに気付かずに無神経だったとしてもさ、気付いていたらどうかしてた?変な所で気を遣うくらいなら無神経の方がまだマシ」
その言葉は再びハルヒの心を刺した。“無神経”って二回言われた…!
「ハルヒー!光がテラスに来てほしいって」
遠くからハルヒを呼ぶ馨の声。
「あ…分かった。今行く」
「ハルヒ言っとくけど同情とか罪悪感で答え出したりしないでよ?そっちの方がよっぽど失礼なんだからね?」
「そうそう。こういう事は自分の為でいいの。傷つくのは一回で充分」
「うん。ありがとうメイちゃん、竜胆先輩」
ハルヒは笑顔を向けた。そして三人でテラスに向かったハルヒの背を見送った。
「ちょっと馨君…光君って何考えてんの?わざわざパーティー開いてそこで返事させようって?わけわかんない」
「うーん。僕もイマイチわかんないんだけど、にぎやかな方がヘコみが軽減されそうでいいんだってさ。うん…光はハルヒの答えなんか想像ついてるんだよ。それでも今告白したのはたぶん光なりに何か決めた事があるんじゃないかなあ」
それはもしかして環の為に…?それが光の答えならば私はただ応援しよう。
「さてと、私は仕事でもしようかな」
今一人で頑張っている光の為に私が出来る事と言えばこれくらい。優しいのって良いと思うけれど押し付けがましいのはよくないのね。
「ねぇ、鏡夜。私考えたのよ」
「何を」
「…自分の家を継ぎたいと思うけれど、お兄様と闘わなきゃいけない…。そうして考えついたのは私にしか出来ない事に挑戦しようって」
「いいな、それは」
「いっそのこと、この美貌を生かして広告塔でもやろうかしら…」
「お前の発言は稀に突拍子も無いな」
でも、そういう考えは嫌いじゃない。鏡夜は笑いながら竜胆の頭を軽く撫でた。
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