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「ヒカちゃん、カオちゃん来たよ〜〜☆」

大晦日のこの日。常陸院邸で行われる忘年会に皆足を運んでいた。私の出来事の時には普通の顔をしていたと言うのに、今日の環は少し気まずそうだ。どうやら光に言われた事を気にしているよう。

「「竜胆ねぇ!あれ、頬の傷は?整形した?」」

その言葉を聞いて竜胆は笑顔で光と馨の頭を叩いた。

「自分の顔を使って、自社の整形技術試すか!すっかりかさぶたになって、コンシーラーでちょちょいよ」

竜胆が笑うと光と馨も微笑んだ。そしてその後ろからは環がおずおずと声を出す。

「お招きに与り…」

「ハイハイ、部員はお客様じゃないから!ホストだから!女の子いっぱい来てるんだからしっかりお相手してネ!」

「う、うむ…」

光の態度はいたって普通。こう二人を並べて見ると光の方が大人の様に思えてきた。ハルヒはメイと先に来ており、環が大きく反応したがすっかり女の子達に囲まれてしまい、捜せず終いらしい。

「牡丹の君!カジュアルスーツ姿もお美しいわ!」

「ありがとう、でも皆には負けちゃう。やっぱりパーティーの花は綺麗な女性達だよね」

女の子達に笑顔で手を振って竜胆は歩き出す。

「ねぇ、竜胆君ハーレム作ってるよ」

「…竜胆先輩人気あるし」

「それよりごちそう取りに行かないの?」

「うん…メイちゃん行っておいでよ」

メイの問いに答えるハルヒはどこか上の空。

「…なんか遠巻きにアンタの事見てる女子がいっぱいいんだけど…」

「そう…メイちゃんお話してきていいよ?」

「あのねぇ…こんっっなセレブなパーティーにイキナリ招待されてあたしがビビってないとでも思ってんの!?見なさいよ!足震えてんのよ!一緒に行動してよ!」

「メイちゃん声大きい…」

「てゆーか今日あたしがこん中の金持ち坊ちゃんに見初められでもしたらどーしてくれんのよ!ドジふまないようにフォローしてくれんのが友達じゃないワケ!?」

竜胆は聞こえてきた二人の会話に苦笑いをしながら二人に近寄った。

「どうも、ハルヒちゃん、メイちゃん。メイちゃん久しぶりだね」

「竜胆君!ちょっとハルヒなんとかしてよ〜」

「ん〜ハルヒちゃんは考え事の真っ只中だからね」

ようやく最近自分の気持ちに気付いたと思われるハルヒ。そしていきなり友人と思っていた光からの告白。いくら頭の良いハルヒでも全く別問題で、頭の中はそれに占められているに違いない。

「まぁ、今のハルヒちゃんは放っておいた方が良いよ。とりあえず飲み物取ってきてあげるから」

竜胆はひらひらと手を振り、ボーイに声をかけている。その姿を見てメイは小さく溜め息を吐いた。


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