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「ヒカちゃん!もう起きて大丈夫なの〜?」

「光!大丈夫?痛い所ない?」

「顔が赤いな、熱があるんじゃ…」

「だだ、大丈夫!心配かけてごめ…」

光が謝ろうとした時、遠くから光を呼ぶ声。それがどんどん近付いてきてきた。

「光!」

そこに居たのは汗をかいて息を切らす環の姿。

「殿!?」

環は光を見て無表情のまま光の体を触りだした。

「と、との?」

「大丈夫、ホンモノの光だ」

「…よかっ…意識不明って聞いた時はこっちがどうにかなるかと…」

環は泣きそうな顔で言ったのだ。

「殿、僕ハルヒに告白したから」

「「「ええっ!?」」」

光の言葉に皆は驚いた。が、光は皆を見る事なく環の目を見て言うのだ。

「返事はまだ聞いてない。でも、僕頑張るから。だから殿もトラウマなんかに負けてないで頑張れ!わかったの!?返事は!?」

環は光の勢いに負けて返事をする。確かにこの言葉は光以外の人間が言っても効果は無いだろう。光がどこでそれを聞いていたのかは知らないが、一番の薬になるはずだ。そしてホテルのラウンジに居る皆に向かって竜胆は手を振った。

「今光から連絡ありました。何でも年末に常陸院邸で忘年パーティーを開くから、空けておいて欲しいそうです」

その言葉に環は俺も行っていいのかと呟いた。

「部員は強制参加。部のお客様を大勢お招きする様だから」

ニッと竜胆は微笑んだ。そしてすぐに竜胆の携帯が鳴った。少し離れた所で竜胆は電話をし始めた。普通の事だと思い皆はパーティーについて話し始めるも突然音が響いた。

「竜胆…?」

竜胆がたった今使っていた携帯を落とした音だった。しかもそれを拾う気配も無い。誰もがおかしいと思い、竜胆に近寄った。そして驚いたのだ。竜胆は呆然とし、目も虚ろで、震える唇で小さく呟いた。

「……わ、…たし、の…せい、で…」

「竜胆?おい、どうかしたか?」

鏡夜が竜胆の肩を掴み、体を揺らすも竜胆は全く変わらない表情のまま。

「い……イヤ―――…ッ!」

竜胆の悲痛の叫びが響き渡った。それは竜胆が恐れていた事。




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