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「ハルヒ!具合はどうだ?まだ風邪治らないのか?」
「えっ…えっと…」
ハルヒは環を見て、更に顔を赤らめた。
「熱はないようだが…今急に熱くなったぞ!?救急車を呼ばねば!」
環が熱を測る様に額を合わせるとまた更に顔を赤らめるハルヒ。
「イエ!大丈夫です!お茶のおかわり持ってこないと!」
竜胆は立ち上がりそのまま作戦会議だ。だって、あのハルヒちゃんはあからさま。どう考えても辿りつく答えは一つ。
「どう思う?崇、りんちゃん」
「………」
「そうだよねえ。やっぱりハルちゃんおかしいよねぇ」
崇は何も言っていないのだが、どうも光邦には分かるらしい。
「環と何があったんですかね…これはもしやアレですよね?」
アレだろうな、その声に竜胆は振り返るとそこには鏡夜。
「ほらその証拠に…光の機嫌が大変な事に」
イライラしている光とその隣で時間を計る馨。光がイライラするというのは間違いなくアレで。そうなると鏡夜は辛くないのかしら?竜胆は鏡夜を見上げたが、鏡夜はいらつく様子も無くケロッとした表情を浮かべている。
「光ガマン!…1分経過…2分経過…よし!3分!」
3分経ったと同時に動き出した光と馨はたぬきの形をした貯金箱に100円を一枚入れた。
「なーに?貯金箱〜?」
「そう!光の短気を直す為に僕が考案しました☆その名もズバリ!“光君イライラ3分我慢できたら100円貯金”――!10万円たまったらハルヒに大トロごちそうできまーす☆」
それは1000回もイライラして、それを耐えなきゃいけないわけで、ある意味拷問の様な気がするけれど。竜胆は馨の考えた作戦に目を逸らした。
「1回100円は安すぎじゃないか?」
「甘いね鏡夜先輩。光がハルヒを振り向かせるにはこれくらいしないと全っ然ダメ!どーせ今告ったてフラれるに決まってるんだから!思ってたより光が大人だったって言っても世間的には全っ然ガキだから!」
馨の一言一言が光に突き刺さる。
「馨!言いすぎだろ…いくらなんでもっ!」
「癇癪起こしたら読書ノルマ一冊追加〜☆」
馨はどこからか本を取り出す。そしてその本を光は悔しがりながら読んでいた。
「随分と鬼コーチですこと」
それでもやっぱり嬉しい。二人が違う気持ちを抱き、違う行動をする。一緒にいながらもその違いは私が夢見ていたものだ。
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