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「…元気に…元気にされてましたか…?」
「…あぁ。とても元気で笑顔を沢山見せてくれたよ。彼女は息子が日本で自分らしく生きてくれる事を祈ってた」
「…そ…っか……ちゃんと笑ってるんだ。…そっか…」
環はきれいな涙を流していた。その姿を見るハルヒの目には涙が溜まっていたのだ。
「環。はい、ストラップ。環のは面白そうだから金色にしてみたわ。でも、こうなると金閣寺の様に見えなくもないわね」
形はまるで違うが、その少しくすんだ金色は黄色の様で、日本の土産物でもよく見るものに近い。
「竜胆…!」
「うおっ…!?」
竜胆は突然環に抱きしめられて思わず仰け反った。体勢を整えて環の背に腕を回して小さく呟く。
「…全ては鏡夜のお陰よ。愛情込めたハグしてあげなさい」
「きょ――…」
「来るな」
「ひ、ひど!」
「「あはは!おかーさんにフラれてやんのー!」」
「ケンカはダメだよぉ?ねぇ、崇」
「…あぁ」
「相変わらずですね、ホント。あれ?そういえば環先輩と竜胆先輩ってケンカしていたのでは?」
あ、そういう設定だった。ポカーンと首を傾げる環に向かって竜胆は微笑んだ。そうすればまた竜胆先輩は…笑いが起こるのだ。10日間の離れ離れが嘘の様。これが私達ホスト部の姿。環の笑顔が行動が皆を笑顔にさせる。皆つられる様に笑ってそれが他の人達にも伝染する。幸せスパイラル最終形態なのです。
「あははは!鏡夜、たまには環に抱きしめられなさいよ」
「竜胆、お前が行け」
終
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