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「「…嘘つき?誰が」」
「ちょっと聞いた?あちら旅行サボった事隠してらしたのよ」
「しかも計画的犯行だったらしいわよ」
コソコソと言えば逆に環が苛立ちを隠せない。
「信用されてないみたいで大変傷ついたもんねぇ…」
コソコソと陰口を言う。ハルヒはと言うと無関心でお土産に貰ったチョコレートを早速開けていた。
「だからその件は昨日謝りに行っただろーが!ハルヒは許してくれたもんね〜?おにぎりくれたもんね〜?」
そう環がハルヒに言った途端ハルヒは顔を赤くして、話題を変えた。それはあまりにも無理があり過ぎて不自然すぎる。故意に環を避けた様に思えなくも無い。
「ひっ…光と馨何の本貰ったの?」
「どうしたのオマエ。何かあった?」
「え…べ…別に…」
別にとは思えない。その顔はまるで照れた女の子。いつものクールなハルヒはどこにもいないのだ。急に話を逸らされた事で環は再び膝を抱え壁に向かっている。
「あぁ…そういえばフランスである金髪の女性に会ってね」
「えぇ、とても綺麗でとても優しかったわね」
これは良い思い出。環にとって一番の土産話。
「それからアントワネットによく似た犬…日本に兄弟犬がいると言っていたが。彼女は離れてる息子の事を毎日思いながらその犬や家族と暮らしていたよ」
「そうなのよ。アントワネット程お転婆じゃないけれど、私舐めまわされて大変だったの。私って何か特別なフェロモンでも出てるのかしらね」
ここまで来れば誰もが気付く。声には出さないけれど気付いている。
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