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鏡夜は修理した携帯をいじりながら小さく呟いた。

「ハルヒ…?」

どうやらハルヒから連絡があったらしい。かけ直すと鏡夜は携帯を耳にあてた。

「ハルヒか?」

「ハルヒちゃんに電話?私もお話したいわー」

そう言う竜胆の顔を鏡夜は手の平で覆った。聞きたい事もあったと言うのに。自分の携帯は今鏡夜の所。は…!聞いたりしちゃだめだった!自分でそう決めたんじゃない!竜胆は心の中で呟いた後壁に寄りかかった。

「連絡が遅れて悪かったな。携帯がちょっと故障しててね。今留守電を確認したんだ」

ちょっとって!自分で壊したくせに!竜胆は口元を押さえて笑いを堪えた。

「環なら下痢だ」

えぇ?またそれ?竜胆は鏡夜の言葉を聞いて驚いた。

「こっちに来てから奴はホテルにこもりっぱなしだ。外出もろくにしていない。よって土産と土産話は期待するな」

また下痢設定にするつもりか…そう思いながら竜胆が目を逸らすとその先には自分の使用人。携帯で連絡は取れないが鏡夜の持つ竜胆の携帯のGPSで居場所を見つけたらしい。竜胆は首を傾げながら使用人の所へ向かった。

「そういえばあまりに腹の調子が悪いから日本に帰るとか言ってたな。後は任せた」

鏡夜のそんな声を背で受けて竜胆は手招きで鏡夜を呼んだ。

「どうかしたか?」

「良い情報よ。環のお母様の使用人を昔していたという人物がこの先の保養施設にいるらしいわ」

それを聞くと鏡夜は小さく口角をあげた。

「よくやった竜胆。話を聞こう」

「えぇ。案内してもらえる?」

やはり心の繋がりも侮れないわ、竜胆も鏡夜と同じ様に微笑む。そして辿りついた場所で鏡夜と竜胆は昔使用人をしていたという女性に話を聞く事になった。


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