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「成程。キャラ萌え系か。萌えキャラに俺を当てはめ婚約者という妄想にまで及んだと…」

「妄想って…おまえのいいなずけじゃ…」

「一度たりとも肯定した覚えはないが?」

そういう事なら早くそう言ってくれ。これで断言出来る。鏡夜はこういう人間なのだと。面白い事があればそれをあえて否定せずに楽しむ。これには溜め息ものだ。

「調書によれば鏡夜様はこの部の一切を管理されておられるとか?」

「そーだよー!鏡ちゃん店長さんー」

「店長様!ぴったりですわ!私お店の看板娘になるのが夢だったんです…!」

「いらないよ、ホスト部だから」

「パン屋じゃないから」

そもそも店とはまた違うわけで。なんとも濃いキャラの子が出てきたな。鏡夜はこれまでも楽しもうとするのだろうか。

「決めましたわ!花嫁修業も兼ねて私…ホスト部のマネージャーになります!」

鏡夜はホスト部を生業にしているわけではない。が、れんげの妄想は止まらない。鏡夜に止めるように言えば、大切な取引先のご令嬢だから失礼のないようにと一蹴。そして考えつくのはもう丸投げしよう。

「「「ハルヒ」」」

皆でハルヒの肩をポンと叩く。

「これもホスト修行だハルヒ!おとーさんは心を鬼にするぞ!」

ハルヒを残して皆逃げ出した。流石に鏡夜に助けを求めたがミスをすれば借金倍増と言われればやらないわけにはいかない。助けてくれそうな逃げた竜胆に目をやるも、遠くから目を逸らしてエヘッと首を傾げられればハルヒの溜め息は盛大なものだった。

「お母さん、この年頃の娘はデリケートなんだよ。だめよ、浮気は」

「竜胆…。お前までその設定に便乗する気か」

「だって面白いんだもの。家族みたいで楽しい」

バカか。鏡夜は竜胆の額を小突いた。




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