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白組の応援はとてもファンシーなもので、ひ弱さをカモフラージュしているだけ。当然士気等上がるはずもない。一方赤組は見ていて面白い程の士気の上がり様。こういう時に奇跡というものは起こりやすい。余裕から出るミスも多い。
「でも鳳さん。赤組は予想を反してあの通りの熱気ですわ」
「心配いりませんよ。この後の障害物レースは白組精鋭人とハニー先輩がいますからね」
障害物レースでは光邦と崇の存在が目立っていた。空砲と同時に飛び出した二人は先頭組。20段もの跳び箱が3連続。崇は軽々と飛べるも光邦には無理ではないか?そんな不安を他所に簡単に飛び越えて行った。前世はうさぎか何かだったに違いないと言う実況にも納得出来る。タイヤくぐり、ホールケーキ食し、ネットくぐりの後棒高飛びだったが、光邦がバランスを崩した。
「ハニー先輩あぶな…」
そのまま転落しそうになった光邦を崇が空中で軽々と助け、着地したのだ。だが、そこには順位があった。
《なんと!バランスを崩した埴之塚を空中でキャッチしました銛之塚!そして気になる勝敗は―…赤組!先にマットに着地した銛之塚のポイントです!赤組久々の1着ー!》
「…焦るな馨。1レースくらい落としてもすぐに…」
それは当然予想外の出来事。それに続くかの様に鏡夜の予想は崩れていく。
《第2レーストップ赤組!続いても赤組!白組優勢と思われたこのレースに怒涛の勢いで勝利をもたらす赤組勢の中心人物はこの人!赤組大将の九瀬猛!》
「運命の女神が浮気しちゃったみたい」
続く二人三脚も、大綱引きも、1000メートル走も赤組が勝っていく。
「綱渡りと大玉乗りで勝ったって微々たるものだったわね」
例えが竜胆一人で勝とうが、他の白組が負ければ大した点にはならなかった。
《見事な赤組の逆襲劇!ついに最終競技の紅白対抗リレーを残して12点差まで白組に迫りました!勝者に大きく30点が加算されるこの競技はアンカーの大将対決は目玉となっております!リレーを制した組が体育祭を制します!》
このリレーで勝者は決まる。まるで今までやってきた事がムダだったかのように。さて、あなたはどう出る?
終
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