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馨の手を取ってその手を私の身体に当てた。

「…ここにはね、牡丹の臓器が入ってる」

「………え?」

「私が身体弱かったのは知ってるわよね?それが悪化して私は移植しなければ助からないと言われたらしいわ。その時、私は聞いた話なのだけれど、牡丹がね真っ先に名乗り出たんですって。その手術をする為に私達は海外へ飛んだ。無事に手術を終えて私が目を覚まして真っ先にしたのは牡丹に泣いて謝った事よ。そうしたら牡丹何て言ったと思う?私に向かって泣きながらごめんねって言ったの」

あの涙は私につられた涙じゃない。

「どうして…?」

「…その意味を私は未だに分かっていない。双子だからって何でも分かるはずがないのよ。私は療養の為に現地に残り、牡丹はそこには居たくないって日本へ帰ったわ。引き止められなかった。怖かったのよ。でもね、一言一緒に居てって言えば牡丹は一緒に居てくれただろうし、言わなかったから帰ったんだとも思う」

双子って少し難しい。言葉にしなくても通じる事があったりすれば言葉にしなきゃ伝わらない事もある。

「…馨は光に何が言いたい?」

「……言いたいとかじゃないんだ…ただ僕は怖い。…光が一人で歩いて行ってしまう事が…!」

「…そう。それを光に伝えたいのね」

「違う!違うんだよ…。分かってるよ、僕らがこのままじゃダメだって言うのは…だから言いたいんじゃないよ…自分が認められないだけ…」

馨は唇を噛み締めていた。何でそんなに泣く事を拒むんだろうね。やっぱり双子の下だからかな?やる事は私と一緒。

「……そうかな?私は光に伝えたい様に思えるわ。…そうね、やっぱり馨と光だと私は馨と似てる。兄弟により依存している所はそっくり」

「……っ」


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