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《本日のトップ賞都姫に贈られます、祝福のキッスをキングより…変更して藤岡ハルヒ!》
双子の声が告げる言葉に環とハルヒは驚いた。
「オイ!?」
「「だってラストにはアクシデントがあった方が盛り上がるって鏡夜先輩が」」
僕らは言う通りにしただけでーすと白を切る光と馨。竜胆は鏡夜を睨むように見ていた。その鏡夜はハルヒに近付くと何か言うと、ハルヒは決心したように頷いた。都姫の頬にキスしようとしたハルヒに近付いたのは環。
「そのキスまったあ!」
それは結局ハルヒの背を押してしまい、ハルヒは都姫の頬にキスの予定が唇にキスしてしまったのだ。呆然とする一同と、よくやったと微笑む鏡夜に笑う双子達。すぐにきゃああああと黄色い声が上がる。
「都姫おめでとう!ちょっと今環様がキスを阻止しようとしたわよ!?」
「よっぽどキスしたかったの!キス魔よ!」
そう盛り上がる周りに対してハルヒは冷たい目で環を見ていた。
「楽しそうだね、鏡夜」
「まぁな。素晴らしいアクシデントだったよ」
「確かにあれはアクシデントだわ」
最終的には環のせいであるわけだし。ハルヒは少しばかりかわいそうだと思うが、盛り上がったのは事実だ。
「まさかハルヒちゃんもファーストキスを女性にあげるとは思ってなかっただろうね。なーんか環が不憫」
少しばかり環も可哀相に見えてきた。あんなに落ち込んじゃって。ふぅと竜胆は溜め息を吐いてから控え室に駆け込んで着替え、メイクを済ませてから大広間へと戻ってきた。
「「ちょっと竜胆ねぇどこ行ってたのさー」」
「あれぇ?りんちゃんお化粧したのぉ?」
「見送りを放棄するな」
まぁまぁそんなに怒らないでよ、竜胆は微笑んだ。そこに残っているのはホスト部員だけだった。そこまで時間をかけたつもりではなかったが数分の間にお客様は帰られてしまったらしい。そして竜胆は未だに落ち込んでいる環に目をやる。
「大丈夫よ環。キスは挨拶。そう思い込めば良いのよ。いつかハルヒちゃんも許してくれるわ」
「だ、だよね、うん、竜胆は優しいよ…!」
立ち上がった環の肩に手をやってその頬に口付けを一つ。
「メリークリスマス、環」
「「ちょっと竜胆ねぇ!?」」
環にした事を同じように竜胆は一人一人頬にキスを落としていく。
「ここは日本ですよね…?」
そう言う最後のハルヒの頬にキスをして離れると竜胆は満足気に微笑んだ。
「メリークリスマス!」
終
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