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「光、馨。お客様見えたの?いらっしゃいお嬢さん方」

そうして現れたのは二人の母親である常陸院柚葉。メイは感動して立ち上がり柚葉に近寄った。

「初めまして、安村メイです!大ファンです!」

「アラがっつりメイク。その肌はバカンス焼け?」

その言葉にメイはショックを受けるも柚葉は小さく笑った。

「…うふふ。冗談よ。おしゃれに気合いの入った子は好きよ」

それはメイと出会った時の竜胆も同じ台詞を言っていた事を思い出した。

「柚葉おばちゃ――痛い、すいません。柚葉ちゃん」

どうしてこうも飽きないんだろう、ハルヒは頬を抓られて涙目になる竜胆を見た。

「かっこいー!やさしー!とてもあの二人の母親とは思えな…」

「う…うん」

「メイちゃん、ハルヒちゃんもいらっしゃい。クッキーはいかが?」

「はい☆いただきます!」

メイの食べたクッキーはむにむにと音がした。食べれない。

「あっはははは!それこの間イギリスで買ったゴムのやつよー!」

ひっかかったー!イエーッ!と息子達と喜ぶ柚葉。その隣には竜胆も居て竜胆も声を出して笑っている。

「…確実にあの二人のお母さんだね…」

その隣には血が濃い血縁者も居るようだとがっかりせざるを得ない。

「そうだわ光。じゃなかった馨。じゃなくて光?えーと…」

「光であってるって」

その様子を見てハルヒは驚いた。何で親なのに見分けられないのだろうかと。

「アハハごめんなさい☆光、あなたハルヒちゃんに着てもらう新作用意するの手伝ってちょうだい」

「へいへーい」

「あたしも手伝いたい!」

「竜胆ちゃんもね」

私は強制ですか、竜胆は重い腰を上げて柚葉の後ろを歩いた。

「竜胆ちゃんにも着てもらおうかしら。最近お母様に似て可愛くなっちゃってー☆何、とうとう恋でもしたの?」

「あはは、いやいやいやまさか」

「竜胆ねぇ。好きな奴出来たの?」

笑い話になるはずが光は竜胆の手を掴んでいた。竜胆は首を傾げながら光を見た。

「どうして?」

「…だって、そうしたら応援するし…」

「光。私の事よりもまず先に自分の事を大事になさい。自分の事を大事に出来ない子は他人を大事なんか出来ません」

それだけ言うと竜胆は小さく微笑んで柚葉の隣へ並んで行った。

――ねぇ、竜胆ねぇ。そうやって僕に言うけれど、竜胆ねぇは本当に自分でそれを出来てるの?




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