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強制的に藤岡家から追い出されてしまった。呆然としているのは竜胆だった。

「竜胆先輩…す、すいません。巻き込んでしまって」

「えぇーだって竜胆君だってちゃちゃ入れて来たんだから同罪じゃん」

口を開いてポカンとしてた後に竜胆は座ったまま声を出して笑った。

「ど、どこか打ちました!?」

「ち、ちがっ…!あはは!私、うるさいって頭叩かれて追い出されたの初めてだわっ!あはは…!」

お腹を抱えて竜胆は笑い出し、その声はしばらく止まる事はなかった。竜胆の笑いと涙がようやく止まった後タイミングよくメイの携帯が音を立てた。

「もしもし?光君。うんハルヒも竜胆君もいるけど?沖縄土産くれんの?…は?なんであたしらが出向かなきゃなんないのよ。そっちが…は?親?しらねーよ。あんたらの親が家にいよーがいまいが…え?マジ?…うん。うん。わかった」

電話を切ったメイは目をキラキラとさせていた。

「双子んち行くよ!」

「は?宿題は?図書館…」

「そんなのいーから!つーか知ってたの!?あいつらのお母さんて超有名デザイナーの常陸院柚葉なんだって!」

メイは興奮した様に言うのだ。

「知ってるも何も私の母の従姉妹だよ。何、柚葉おばちゃん帰って来てるって?」

驚きで声も出ないメイに対して竜胆は首を傾げた。そして我に返ったメイはハルヒの手を引っ張り出した。

「ほら早く!あー!どっかでメイクしなきゃ!あたしんち寄ってこ!後色紙買って――…」

「なら家の車呼ぼうか。メイク道具なら貸してあげるし、色紙も持ってきてもらうから」

そうして10分もせずに到着した柊家の車に三人は乗り込んだ。そして着くのは常陸院邸。ハルヒとメイはその広さに驚いた。使用人に案内されたテラスに付けば光と馨がこちらに向かって手を振っている。

「ハルヒー竜胆ねぇーこっち!」

「メイちゃんもいらっさーい☆」

「まぁ座ってよ。メイちゃん何飲む?」

「「はーいお品書きー」」

お品書きを渡され手に取るとどれも高額。わざわざこの為だけに作ったのか、そう思うと手が込んでいるがまだまだぬるいと竜胆はチェアに座った。

「あたし水で…」

「「ミネラルウォーター2500円ネー」」

「にせん…」

「メイちゃんメイちゃん絶対冗談だから…」

「メイちゃんも案外騙されやすい性格してるのね〜最近ハルヒちゃんが騙されないから標的移っちゃうわよ?」

竜胆は笑いながら置いてあった紅茶セットに手を伸ばした。


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