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「皆の衆。珠洲島氏と春日姫の確執について言及せよ!」

どうもハルヒが春日姫を保健室に連れて行った時、そこにいた珠洲島氏と何やらあると思ったらしい。そして婚約していると聞けばハルヒは少なからず気になっていたのだ。そして環は乙女の悩みならば、と皆に協力を仰ぐ。

「まず常陸院ブラザーズ!」

「「はっ!二人は幼馴染。婚約は両親の決め事のようであります!」」

「次竜胆!」

「春日姫はとても可愛らしいよ。素直じゃないって言うのかな、でもやっぱり女の子だから“何か”を待っているみたい。珠洲島君はね、優しいけど少し男らしさが足りない」

「よし、次!鏡夜!珠洲島氏についてのレポート!」

どうしてこの人達はこうなんだ…ハルヒは溜め息を吐いた。そして鏡夜は調書を読み上げる。

「成績優秀、家柄まあまあ、容姿人並。いわゆる“C組”だな。まじめさがとりえで来春からは英国留学が決まっている。難をあげるなら」

「「“影が薄い”“気が弱い”」」

「つまり“地味”だ、以上」

天下無敵のA組軍団は男性に容赦無く言い放つ。

「大体筋は通るな」

「は?」

「姫の病気の理由さ。“将来あんなさえない男と一緒になるなんて愚の極み”」

「“せめて今の内好きに遊んでおきたい”フツーに見ればそーゆー流れなワケ」

そうなんですかねぇ…とハルヒは納得出来ないように小さく呟いた。

「鏡夜。どーせおまえも知ってたんだろう。いいなずけの件」

「お客様の事を調べるのは当然だろう?特に利用価値のない情報だから放っておいたんだよ」

「おまえね…。竜胆は?知っているような素振りだったが?」

「牡丹の君の情報網を舐めちゃいけない。でもいくら知っているからと言ってそう軽々しく話すような事でも無いでしょう?」

竜胆はそう言ってから微笑んで環を指さす。

「さて、ホスト部キングはこの状況をどうお考えで?」

その言葉に答えるように環はニッと笑みを浮かべた。常連のお客様に招待状が届けられた。そして本日は12月24日午後5時。中央棟の大広間はパーティー会場と化していた。

「今宵集まりし仔羊達よ。この日を共に過ごす幸運と至上の美に感謝を。主の祝福と共にその扉を開き給え。桜蘭ホスト部クリスマスパーティーへようこそ…!」

華やかな会場、豪華な料理、着飾った姫達、そしてエスコートする美麗集団。

「「はーい!お嬢様方、カード勝負はいかが?1ゲーム勝利で1ポイント&豪華景品!得点上位獲得者にはラストダンスを部員と踊る権利が!」」

そう言えば辺りから歓声が起こる。

「「そしてなんと!トップ賞にはキングより祝福のキッスが!」」

会場は一気に盛り上がる。竜胆も本日はスーツを身に纏い、地毛をそのままセットするとやはり美しい男性に見えた。皆の楽しげな雰囲気を他所にハルヒは少しばかり戸惑っているようだ。


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