05 (2 / 3)



「カッターの刃に教科書はびしょ濡れ。制服にはマチ針。挙句の果ては鞄ごと池にぽい。どんどん悪化してきたわね」

「「当の本人はこたえてないみたいだけどねー」」

「悪化していくのはそれが原因だろうな。環」

「残念ながら改心する様子はないと。そろそろ終わりにしないとな」

最近竜胆は動きやすいように男装のまま接客をしていた。そして事件は起こる。がしゃんと大きな音がすればハルヒと綾小路がいる席。

「きゃあ、助けて!ハルヒくんが突然乱暴な事を!」

「え…っ」

自演も良い所だ。挙句の果てに周りまで巻き込んで。周りはハルヒ君が?なんて反応になっている。竜胆は立ち上がり、とりあえず目の前の女の子達に座るように手を出した。そして歩き出す。

「やっぱり野蛮ね、誰か早くこの庶民を――…」

そう叫ぶ綾小路は水をかぶった。光と馨が水をかけたのだ。

「な…っ」

追い討ちをかけるように鏡夜が写真をばらまく。そこに写るのは綾小路。綾小路がハルヒに何かする決定的な証拠写真。

「バレていないとお思いでしたか?ホスト部の情報網を甘く見ないで頂きたい」

「この人コワイ」

「見苦しいな」

「ですね。男の嫉妬は見苦しいと言うけれど、女の嫉妬も見苦しい。あーあー悪い顔しちゃって」

「そうねえ…君はなかなか綺麗なんだけど…」

「環様!あの子が…!」

まだしらを切るか。こんなに証拠写真があるというのに。ある意味たくましいと竜胆は溜め息を吐いた。

「顔だけよくでも困るんだよねえ。悪いけど消えてくんない?うちの部員に手ぇ出す奴は客じゃないんでね」

そう言うと綾小路は泣きながら第三音楽室を出て行った。そしてハルヒにはもめ事をおこした罰として追加ノルマ100人が言い渡された。


[prev] [next]
[bkm] [TOP]
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -