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桜スポを読んで竜胆は小さな溜め息を吐いた。そこにはサロン争奪戦はウルトラレース。知力体力時の運を必要として、アメフト部が有利か、なんて書かれているではないか。頭脳バトルだけではなくて肉体戦とまで。
「ま、予想の範疇だな」
新聞を読み鏡夜は呟いた。その後ろでは筋トレを始める面々。今更始めた所で何になるのか謎だった。
「常に(ムダにまでに)自信に溢れているから運動もすごいできるのかと思ってた」
「そりゃできなかない。けどアメフト部に勝てたら今ごろホスト部なんかいないっつーの」
「そーゆーお前はどうなのヨ」
「ハルヒの中学の記録は50m走11秒台か」
鏡夜は資料を取り出し小さな溜め息。
「運動はあんまり…」
そう言うハルヒが可愛くて皆は胴上げをした。その後は当日のユニフォームを決めようと盛り上がる面々に残されたハルヒ鏡夜、そして竜胆。
「竜胆先輩も運動出来るんですか?と、いうか今回あまりノル気ではないんですね」
竜胆はアメフト部調査の時も居なければ焦って筋トレする事もない。いつもならふざけてのっていそうな気がするのだが。ハルヒはちょっとした疑問を抱いた。
「運動ねぇ。運動神経は無い方ではないけど激しい運動はちょっと。体力無いし。水泳とかなら行けるけど、まさか水着になるわけにもいかないしね〜」
飄々した竜胆の態度は疑問を抱く程だ。
「後ノル気じゃないわけではないよ。ちょっと心配な人物が居るから見張ってるの。無理しちゃうのよ、その子。バカだから」
はぁ?竜胆の言葉に首を傾げるハルヒと眉間に皺を寄せる鏡夜の姿。
「ハルヒ。犯人探しの方はどうだ?」
「最初は九瀬先輩が怪しかったんですが…でもあの人はむしろホスト部と戦いたがってるみたいでした。九瀬先輩に濡れ衣を着せたい人がいるとか…全然わからないのは白紙を入れた意味で…」
うん、惜しいな。竜胆は心の中で呟いた。
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