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「ふん…大体こんな俗物的な部に鳳家の跡取りともあろう人間がいていいとでも…ああ…これは失礼。君は三男だからどうあがいても鳳家は継げないんだっけねえ?そりゃあせめて理事長子息の腰巾着でもおこぼれに預かりたいよなぁ?そう考えると実に哀れな…」

誰もがその言葉に苛立った。だがそれは今に始まった事ではない。鏡夜とハルヒを除いた面々は九瀬を睨むように見ていた。

「おい、あんたには関係ないだろう。勝負事の恨みは勝負でケリをつけてみろよ」

「一番目が一番優れているとは限らない」

私は認めない。竜胆はきつく九瀬を睨み付けた。

「ふん…いいでしょう。せいぜい御立派な理事長子息とやらの実力を拝ませて頂きましょうか」

それだけ言うとアメフト部の三人は満足気に第三音楽室から出て行った。ホスト部だって尚更負けられなくなった。これは勝負だった。

「竜胆が熱くなるなんて珍しいな。あんなアホらしい挑発に乗るなんて」

「挑発だと分かっている上で乗ってあげたのよ。あっちを煽ってあげただけ。それに自分は嫌なの。鏡夜だって知ってるでしょ。私が三番目だって事。むかつくの。まるで私にも言っている様に聞こえる」

竜胆は眉間に皺を寄せたまま唇を噛み締めた。

「…鏡夜。この勝負絶対勝つよ」

「端から負ける気はないが?」

「…これは意地よ。有能な一番目の跡継ぎとやらを負かしてやりたい。負けっぱなしも言われっぱなしも嫌い」

「…とんだじゃじゃ馬だな、お前は」

「今更気付いたわけ?」

「いや、知ってたよ。それこそ出会う前から、ね」

鏡夜の言葉に竜胆は首を傾げた。




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