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「去年は生徒会3年に常陸院の大事な事業相手子息がいたからな。新規部のアピール目的で一応決勝まで残ってみたが」
新規部が優勝してしまうと色んな所から反感を買ってしまう。だからこそあえて惜しいと言う所まででやめておいたのだ。なので今年は取引相手子息もいないし、わざと負ける必要もどこにはない。
「今年はいけるだろう?」
「ああ、しかし少々問題がある」
鏡夜はそう言うと鞄の中から手紙を取り出した。竜胆はそれを見て増えている…。ただそれだけだった。
「いや本当にたいした事じゃないんだが、ここ一週間毎日少々穏やかでない手紙が部室に届いていてね」
部員達にとってそれは少々どころではなく大問題。
「立派な脅迫状じゃないですか!“犯人探し”ってまさか…」
「鏡夜!なんでこんなになるまでほったらかして…」
「単なる悪戯の可能性もあったしな。しかし今日のエントリー正式発表まで放っておいたら、さすがにこういう事になってしまってね?」
鏡夜が取り出した封筒の中からはでかでかと“死”と書いてあった。それは流石に竜胆も驚きを隠せない。
「犯人はどうも逆上しやすいタイプのようだな」
「逆上させたのはおまえだろう!よくもぬけぬけと…」
「悪かったと言っている」
鏡夜は目を光らせて言うも“悪かった”とは一言も言っていなかった。
「そういう訳で冒頭で言った通り犯人探しだ。言っておくがうちの部は決して棄権などしない。速やかに差出人を見つけ徹底的に叩き潰せ。うちの部を敵に回す事がどういう事なのかをこの愚民の脳裏に末代までしっかり刻みつけろ…!」
やらなければ俺らが末代まで祟られる。環はそう思った。これも大富豪の罰ゲームが続いており、ハルヒは強制参加だった。皆が手紙を広げて考えているのを竜胆は見て驚いた。
「え?これも入ってたの?」
「はい。そうですよ。でも、何で白紙なんですかね?」
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