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「おまえ達さっきから妙に絡むな」

「「べっつに――?」」

「光、馨。あからさま過ぎるのよ。いい加減にしないとハルヒちゃん怒るわよ」

「「なんのこと――?」」

あぁ、まだ子供なんだから。竜胆は小さな溜め息を吐いた。そんな彼らを他所にハルヒと荒井は庶民の話に花を咲かせる。当然未知過ぎてホスト部員達は着いて行く事ができない。

「…つーかさ――そいつあからさまにハルヒに気があんじゃん。ミエミエでなーんかやな感じ――」

「ちょっと光!さっきから感じ悪いのそっちじゃん」

「いいよ藤岡。気があったのはホントだし。つっても俺、1年前にふられてんだけどね」

その言葉にはハルヒも驚いた。ハルヒも驚いた事で周りは更に驚く。そして荒井はそのふられた経緯を話し始めた。それは中学三年の夏の事だった。ハルヒと同じ高校に行けると思っていた荒井はハルヒの桜蘭の話を聞いて驚いたという。ハルヒはその話を荒井も桜蘭に行きたいものだと勘違い。その時付き合って欲しいと言えば、

「…うん。だから職員室に――…」

お約束の展開だった。

「…ハルヒ…おまえはそんなベタなボケでいたいけな少年の純情を――…」

「そこまでしちゃったら嫌がらせよね…」

そしてハルヒはふかぶかと頭を下げて断った。一年越しのお返事になってしまった。

「俺は藤岡の大人しそうだけど何考えてんのか分からないところとか、でも、会話する時は相手の目をまっすぐ見るところとか…そういうのずっといいなって思ってたんだ」

「うちの子の事をそこまで…!安心しろ!君の勇姿は忘れない!」

環は何故か荒井に賛同する。涙ながらに彼の手を握った。そうして環が賛同すれば自然と荒井も輪の中に入っていた。修学旅行はどこに行ったのか、中学時代のハルヒは、とホスト部員にとって珍しい話とハルヒの中学時代に皆盛り上がっていた。それを遠目で見ている光と馨の姿。

「光どうする?向こうまざる?」

「いーよ、ウゼェ。殿も簡単になついちゃってアホじゃねーの」

「………」

ふぅと小さな溜め息を吐いて竜胆は光と馨のもとに近寄った。

「光」

「何」

今となっては違いがはっきり分かる光と馨。光は先ほどから悪態を吐くも馨はそうでもない。ちゃんと口にしなきゃ分からないのかしら?竜胆が口を開こうとした時環からの声がかかる。


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