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「素晴らしいよ!この感激を体で表現しても良いだろうか…?」
「しないで下さい」
「うーんまるで絵にならないねえ馨?」
「そうだねえ光。シュチュエーションがまるで計算されてないよね?」
訊いてもいないのに光と馨は説明し始める。
「いいか?女は美形同士のホモが好きだ。友情との狭間で揺れる演出も好ましいが…」
断言したぞ。それは偏見だろうに。竜胆はそれよりもここは原石を磨く所だろうとうずうずする。
「僕らの場合双子というこの上ない禁断度を武器にしてるわけ」
「その上そんな絆の深い二人に同時に愛されてしまうという構図!」
「乙女の究極のロマンだろう?」
「あははっは!」
光と馨の言葉に竜胆は声を出して笑った。いやいや、双子だからって、双子を誤解してる!全ての双子が好みも全て似ているとは限らない。
「ちょっと」
「竜胆ねぇは黙ってよー」
そう言い光と馨はハルヒに視線を戻す。
「「…まあ君は第一条件すらクリアしてないわけだけどネ」」
「やはり問題はビジュアルに戻ってしまうのか…」
「…環。原石磨いちゃおうよ」
そう言う竜胆の手には鋏とコーム鏡にワックス、ブラシ。
「いや、しかしなあ…この手のタイプは眼鏡をとってもさらに目が小さくなるくらいで…」
だからその偏見はどこから来ているのだか。環の事だから昔の漫画やアニメでも見たに違いない。だけれど、私の目は誤魔化せない。竜胆の目が輝く。環が勝手にハルヒの眼鏡を取り、固まった。ハルヒの可愛さにようやく気が付いたのだ。
「竜胆!」
「よし、来た!」
竜胆は嬉々としてハルヒを椅子に座らせる。
「光!馨!」
光と馨は竜胆から鋏を受け取り簡単に髪を切り始める。
「鏡夜は学校指定の仕立て屋に連絡!モリ先輩、使い捨てのコンタクトの予備あったらわけて!」
「僕はー?」
「ハニー先輩はケーキ食べてて!」
何もする事がなくいじける光邦をよそに竜胆、光馨の手によってハルヒの髪型は変わっていく。
「ちょっと光。前髪は少し長めにしよう。で、流そう。折角大きな目してるんだから見せなきゃ勿体無い。馨、襟足は長めで。少し見えるくらいが可愛いって」
ワックスを手に広げて竜胆はハルヒの髪の総仕上げにかかる。そして満足気に微笑んだ。
「これでメイク出来れば完璧なんだけどね」
それから制服とコンタクトが届き、ハルヒは一人着替えにカーテンの中へ。
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