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環の言葉に衝撃を受けたのは二人。

「やだ!崇!僕痛くないから!」

光邦が涙を流しながら許しを乞うもむなしく

「禁止だ」

仮にも部長命令。しかも、先輩方の為、となると竜胆も協力せざるを得ない。竜胆は楽しみにしていた気持ちを少しばかり縮ませた。そして光邦に近寄り視線を合わせる為に膝を折った。

「ハニー先輩。自分も協力します。だから、虫歯を治したらまた美味しいお菓子同盟復活しましょうね…!それまで自分はダイエットというにして頑張りますから…!」

「りんちゃ〜〜ん!」

光邦と竜胆は涙を浮かばせながら抱きしめ合った。そして光邦と竜胆の地獄の日々が始まったのです。

「ねぇ、鏡夜。ジャムはだめ?」

「だめ」

「じゃあ砂糖たっぷり入れたコーヒーも」

「無し」

「じゃあ、パンケーキはどうかしら?クリームもフルーツも無しよ」

「だめに決まってるだろ」

鏡夜の即否定に竜胆はどんどん頬を膨らませ、耐え切れなくなってから機嫌の良い鏡夜の背をポカポカと叩いた。

「ケチ!」

「なんとでも」

「アホー!守銭奴ー!ドSー!腹黒ー!眼鏡ー!」

「眼鏡は悪口なのかな?」

「ひぃっ!」

部全体の協力を言い渡された為にホスト部では甘い匂いはしなくなった。当然それはお客様も同様でお茶菓子自粛、サンドイッチが基本となってしまった。何でだろう、自分で決めたわけじゃないせいかむしょうに甘い物が食べたい。竜胆こそ家で食べれば良いのだが、それは光邦を裏切っているようでどうも手が伸びない。一方光邦も崇により徹底振りで甘い物には一切近づけなかった。


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