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そんな竜胆と自分の編入話を聞けば流石のハルヒもフォローに走る。

「ちょっ…ちょっと待って下さい!色々誤解もあるようですし、ホスト部の歴史が浅いとか…」

「浅いぞ。ウチは設立2年目だし」

「殿が高等部にあがる時に作ったからネ」

「環先輩がハーフというのも聞いた事ありませんし…」

「タマちゃんハーフだよー?フランスと日本のハーフちゃん」

「私利私欲といいますが別にお客さんから代金をとっているわけでは…」

フォローが厳しくなってきた。誰か正論を言ってくれと思うハルヒも鏡夜は現実を突きつけた。

「代金というかポイント制だな。部内ネットオークションでの買い上げ額による優先待遇だ…ああ、ほらハルヒ。おまえの使用済みシャーペンが丁度3万円で落札されている」

「ちょっ…!それ失くしたと思ってたやつ!」

鏡夜が見せるパソコンには藤岡ハルヒ使用済みシャーペン。その下には鳳鏡夜使用済みマグカップと項目は更に下に続いているようだった。他にもキング使用済みカップにハニー愛用ケーキ皿フォークナイフセット。モリ制作物。常陸院仕様ヘアブラシ、牡丹の君愛用肌ケアセット等等。

「めちゃめちゃ全部初耳じゃないですか!お金とってるなんて聞いてませんよ!」

「ボランティアであんなサービスをしているとでも?イベント経費に衣装代にお客様の飲食費。利益なんて微々たるものだぞ?」

「だからって人の物を勝手に売らないで下さい!ドロボー!」

「「ドロボーじゃないもん。落ちてたんだもーん!」」

そりゃ同じクラスだからハルヒも落とす可能性も光馨が拾う可能性もある。が、ハルヒはホスト部の知らない事に呆れるばかりだった。

「ごめんよ、ハルヒィィ!隠してたわけじゃないんだよウ!これ!俺のシャーペンあげるし!」

「いりませんよ今更」

「なんなら俺の出生の秘密も明かすし!」

「イヤそれ初耳の中で一番どうでもいい情報ですし、日本文化オタクっぽいからハーフとか考えたコトもなかっただけで」

ハルヒはムスーとしたまま環の言葉に次々と返していく。ロベリアの三人はそんなハルヒを見て、返事は明日聞くとようやく帰って行った。そしてハルヒもそのまま誰とも目を合わす事無く帰って行った。それに落ち込む面々。竜胆は一人窓から門の方を見ればハルヒが小走りで出て行く姿があった。

「何が見えるんだ?」

「夢を追いかける少女の背中、なんて」




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