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環とハルヒはどうやら仲直りしたらしい。その現場を誰も見ていないが雰囲気でそれは分かったが、光と馨は環をSMキングと呼んでいた。環がハルヒに耳栓と目隠しをしている所を見てしまったとかなんとか。それでも二人が仲直りした事には変わり無いと竜胆は喜んだ。のも束の間。竜胆はお客様に捕まっていた。

「あの…」

「玉のような瞳に陶器のような肌。素晴らしいわね」

「すっごい綺麗ね〜!化粧品は何を使っているの?」

新規のお客様だったのだ。そのお客様二人は竜胆の姿を見た途端揃って竜胆を指名したが、女装版の竜胆でもその扱いに困っていた。

「ところで、あなた達はどこのクラスなのかしら?すれ違っただけでも人の顔は忘れないタイプなのよね〜?」

名前は知らずとも顔だけは覚えている竜胆だが、この目立ちそうな二人の顔をどこでも見た事がないのだ。校内ですれ違うことも、学食で見た、委員会で見た、それ全てとっても誰とも一致しない二人は一体何者なんだろうか。竜胆は首を傾げた。

「ああ姫よ…たとえ世界が滅びようと僕は命にかえても君を守る騎士でありたい…」

「環様…!」

本日第三音楽室は西洋騎士の間でした。

「素敵ねぇ…環様は西洋の衣装がお似合いでらっしゃるから…」

「あら…常陸院御兄弟も麗しくてよ?」

周りの騎士達よりも布面積の多い格好の竜胆は優雅にお茶を飲んでいた。いくら軽量化された甲冑でも竜胆には少し重く動き辛い。そして最近は女装をしていなかった。ならば長い髪を高い所で縛っただけでの女騎士だろうと竜胆は腰に剣を刺したが、座るのも面倒。オプションが一々大変だと剣は放置だった。それよりも、だ。目の前の子達は部員達のファンサービスに喜んだりはしなかった。

「そうかしら?“命にかえても”だなんて随分と傲慢な感情ではなくて?それで残された女が喜ぶとお思いかしら?」

「仕方ありませんわ、鈴蘭姉様。男なんて自分の名誉が一番の下等生物ですもの。自分の身ひとつ守れない不甲斐無さを都合よく変換して恩着せがましいったらありゃしない」


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