37 [ 1 / 2 ]

「ちょ、ちょっと待って下さい。何かの間違いですよね?」

その言葉に校長は首を横に振った。一体どうしろと言うんだ。校長室を後にした光の足取りは重かった。ティーン・オブ。ジャパンとは3年に一度日本一の女子高生を決める大会の事だった。前回の優勝者は藤堂静。前々回の優勝者は道明寺椿。一学年一人が選出するがその二年代表…。どうしてそうなったんだ?光は純粋に理解出来なくて首を傾げた。今や自分は男子生徒を百人斬りした凶暴女として誰からも恐れられる存在としか扱われていないはずなのに。確かにそれに選出されただけでもとても名誉の事だが、光は素直にうんとは言えなかった。

「宮永さん!俺ら、応援してますから!」

「一生着いていきますから!姐さん!」

いやいや着いてくんな、そもそも私は姉ではないのだが?急にちやほやされるとあからさま過ぎて戸惑ってしまうのは私だけなのだろうか。


光は次の日、いつもの道場で汗を流した後道場隅に置かれた新聞が目に止まった。

「…え…」

そこにはつくし、道明寺の姿。道明寺が殴る相手は天草。2大勢力を牛耳るアパートに住むお嬢様としてつくしの顔写真が写っていたのだ。しかも、父はリストラ退職とまで書かれている。

「えぇ!?」

光は思い切り声を出した。その声に驚いた他の門下生達は今朝ニュースでその牧野家の事がずっと出ていたと言う。

「…何で」

登校する途中光は苛立っているのか、足音が重かった。当然話しかけようとする生徒はいない。

「あ、すいません、つくしどこにいるか分かりませんか!?」

F4が皆揃ってる所を発見した光は迷わずに近寄った。

「お、光。ちょっと聞けよ。お前も牧野ん家のニュース見たろ?」

「…うん。見た」

だからつくしを探しているのだけど、見つからないのだ。光の言葉に返事は無い。

「それで司が牧野をつりあわせる為にティーン・オブ・ジャパンに牧野を出すって言うんだよ。どー思う?」

「どう思うも何も…。つくしは素敵な人だから良いとは思うんだけど――」

だから、そんな事よりも、

prev next

bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -