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「つくしおは…」

下駄箱でつくしに会い、普通に挨拶しようとしたらつくしを待っている大きな影、それは4日前にニューヨークへ行くと休学した道明寺の姿だった。しかも、つくしと一緒だなんて、この状況が理解出来ないまま、え?と光は首を傾げた。

「え?あ、道明寺さん、おはようございます」

とりあえず挨拶はしておこうか、ただそれだけで頭を下げる。

「おう」

「つくし…おはよう、えっと色々聞きたい事があるんだけど、今は聞かない方が良いかなぁ…」

「あ、光おはよう。後で話すよ」

一緒に教室まで向かうのも何か違う気がする。クラスは違うが途中まで行く方向は同じだと光は二人の後をゆっくり歩いた。

「司!?」

「お」

「なっなにしてんだよ、こんな所でっ!」

道明寺の登場に驚いたのは一般生徒達だけではなかった。幼馴染である西門達も知らなかったらしい。

「まだ出発から4日だぜ!?」

「かったりーから帰って来ちまったぜ。元気かよ」

「良かったね、寂しかったんでしょ、総二郎さん」

光は西門の隣に行き小さい声で呟き、口元を押さえながら笑った。うっせと西門は光の髪をぐしゃりと撫でた。道明寺は昨日つくしの家に泊まったと自慢していた、その隣のつくしを見て光は微笑む。わーわー声を出すわりにやはり楽しそうだと思ったのだ。

「類、ちょっと来いよ」

道明寺と類が少し離れた所で喋ってると思えば道明寺が声を張る。どうやら二人の中にあった問題も解決したらしい。授業が始まるとつくしは教室に戻る途中、天草清之介の見つけ、校門まで駆け出した。天草とつくしの間に何があったのか、光は知る由も無い。

「なぁ、光。これからふけるけどお前も行こーぜ」

「総二郎さん、しつこいよ」

一体何回誘って断られれば気が済むんだ?光は小さく笑った。

「つくしが行くって言うのなら行くけど…あ、でも私校長室に呼ばれてるの」

「はぁ?校長室?何かやらかしたのか?」

そうなんだよね…。校長室に呼ばれるような事をした覚えが無いのだ。今更百人斬りで呼び出されたりはしないだろう。授業態度も成績にも問題が無い。

「…煙草か…飲酒がバレた…?」

考えられるとしたらその二つだけ。

「もみ消すだろ、普通」

その普通はいけないのだけれどね。光は苦笑いした。そのまま手を振って西門達と別れた後光は校長室へ向かった。そして衝撃的な事を聞かされる。

「…ティーン・オブ・ジャパン…?」



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bkm
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