111 [ 1 / 2 ]

それから道明寺家で話を聞こうとつくしを覗いて移動した一行。

「やっぱりサングラスははずせないアイテムよね」

「うんうん、顔バレしないようにね」

サングラスを装着したシゲルを見て光は頷いた。

「服は当然トレンチコート」

「おぉ!シゲルさん探偵っぽい!」

「でしょー!探偵って言ったらこれだよね!」

「後あんぱん!あんぱん大事!」

光とシゲルは意気投合し、二人で手を合わせて喜んだ。何かこの二人、妙に気が合っている気がする……。

「探偵なんて余計目立つだろ」

「だって楽しーじゃん!」

「ねーっ!」

シゲルと桜子は手を合わせる。こっちもこっちで気が合ってやがる!美作は声を大きく張り上げる。

「楽しむなっ!楽しめねえ男があそこに一人いんだよっ!」

道明寺の顔を見れば自然と黙ってしまう。さっきから道明寺は部屋をうろうろ。苛立っているのが分かる。

「なんかおなかをすかせたライオンみたいですね」

「だろ、食いつかれたら離れないぜ」

お茶を持って来た使用人に八つ当たりも良い所だ。

「だからさー司が動くことないじゃん。私達で調べるっていってんのに。どうこれ?」

シゲルさんの空気の読めなさもすごい。鼻眼鏡を装着して道明寺を見た。それがかえって和ませているように見える。

「うるせえっ!気に入らねえんだよっ!俺の周りをウロチョロしやがって!顔見てはっきり言ってやる!」

「何を?つくしに近付くなって?」

今度はがり勉眼鏡にたすき。

「そんなこた言ってねえだろっ!俺は俺の、俺の…」

「イトコの立場ふりかざしてつくしの家に上がり込むのは許せないのね」

今度は応援団風だ。なんというかこの二人の話がかみ合っているのかいないのかよく分からない。

「ふ、ふざけんなあ!おまえなんかもう帰れ!」

「わー図星」

それを聞いていた光、美作、桜子は置いてきぼり感に疎外感。

prev next

bkm
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -