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「あ、宮永先輩っ!ちょうど良かった。牧野先輩知りませんか?」

桜子が二年の教室がある階に居ると思えば光の所へ駆け寄ってきた。

「つくし?え、昨日帰りの挨拶してから会ってないけど…つくしがどうかしたの?」

「…それがさっき牧野先輩のクラスに行ってみたら今日学校に来ていなくて。私も昨日合コンして別れてから会ってないんです。気になって家に電話してみたんですけど、家にも帰ってないみたいで…宮永先輩なら何か知らないかと思ったんですけど」

「……つくし、お持ち帰りされた…?」

「まさか。そりゃないでしょ。私でさえ無いのに」

その自信に光は小さく笑った。

「…まだ一日は経ってないか…。優紀ちゃんは?もしかしたら優紀ちゃんの家に居るとか」

「優紀ちゃんにも電話したんですけど、家には来てないって」

つくしはまたいなくなった…?帰ってきた、ようやく帰ってきたと思えばまたいなくなる?何も相談も無しに。いい、相談しなくてもいい。……ただ、今度こそ殴ってやる…。光は拳を握り締めた。

「…宮永先輩…。顔怖いんですけど。人一人殺しそうな目してる」

「…もう誰でもいいやぁ」

「私はまだ死にたくありませんからっ!」

冗談はさて置き、光は大きく深呼吸した。

「道明寺さんの家に居れば良いけど…それも無さそうだしな…道明寺さんに直接言うのは少しばかり気が引けるので、私あきらさんに聞いてみる」

携帯を取り出してボタンを押せばすぐにあきらは電話に出た。

「…あ、そうですか…。いえ、私達が気にしすぎなら良いのですが…また連絡しますね」

はい、それでは。光は電話を切って溜め息を吐いてから首を横に振った。

「もしかしたらひょっこり帰ってくる可能性もあるし、あまり大事にするのも良くないよね…」

「もう、牧野先輩は前科があるから分からないんですよね!」

うんうん、光は大きく頷いた。

「とりあえず明日まで様子を見よう。それまでつくしから何の連絡も無かったら本格的に捜索って事で。それで私と桜子、シゲルさんは携帯を常備してていつでも情報交換出来るようにしておこう。優紀ちゃんにもすぐ連絡貰えるようにして…」

えっと、それから…光は呟くのを桜子はジッと見ていた。

「道明寺さんの所に来る可能性もあるから、あきらさんには道明寺さん家に顔を出してもらう。…今出来る事と言えばそれくらいだし、気長に待ってても…桜子、何。顔に何かついてる?」

「いえ…。宮永先輩って頼りになるなぁと思って」

「思ったら行動派、なのかもね。結構」

「……あ!そう言えばちょっと聞いて下さいよ!」

そっちから話題を振ったくせにすぐ流すとは流石桜子。で、何?光は溜め息混じりに聞き返した。

「合コンに道明寺さんそっくりの人が来たんですよ!」

「そっくり?」

「ホントにそっくり!髪がストレートになってるくらいで、昔の道明寺さんみたいな冷たい目で、双子と言ってもおかしくないレベル!でも、中身はさいてーですよ!ちょっと聞いて下さいよ!」

道明寺に双子?そんな話は聞いた事がない。あ、でもあの母親なら双子は忌み嫌われてるから双子の弟だけを捨てた…なんて言うドラマの話も実現していそうだ。

「とりあえず桜子は落ち着こうか」



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bkm
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