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「お、光ちゃん。こっちこっち」

待ち合わせの店まで行けば、そこには英徳メンバー。道明寺と類はつくしを迎えに、西門はあの通り。そこに居たのは美作、桜子、和也の三人だ。

「やっぱり総二郎は来ねぇか」

「不機嫌ボーイのまんまですよ。八つ当たりも程ほどにして欲しいくらいです」

光は空いてる席に座り、コーヒーを頼んだ。それに遅れて来たのはシゲル。呼んだ人間がようやく勢ぞろいした。そして話すのはつくしの事。

「類が偶然見てたテレビに牧野が映ってたんだと。明間原漁村ってとこらしい。さっき車で行ったから帰ってくんのは朝方だろうな」

そんな所に…。確かにつくしの家族は出稼ぎに行ったと言っていたからな。類のテレビッ子も捨てたものじゃないと思った。

「で、問題は帰って来た牧野の家族をどこに住まわせるかって事」

美作の言葉に一同は考える。牧野家に負担にならない場所。かつなるべく道明寺の母の目が届かない場所。

「まず道明寺さん家、系列は却下ですね」

「そう。なるべくかーちゃんに見つからない方向で」

「僕ん家は?」

誰かの家はだめです。つくしが気を遣うのが目に見えてます。一同溜め息を吐いた。それに話をきけば今回つくしが失踪したのは道明寺母が優紀と和也の家に仕掛けてそれを戻してもらう為だと言う。そうしたら尚更和也の家は無理だった。

「別荘だったらいくつもあるんだけどなー」

「都外じゃだめですよ。学校に通える圏内で。しかも弟さんもいるからそっちも考えないと。あ、花沢さんの所って不動産じゃないですか、何か無いんですかね?」

「あぁー…あいつん家親厳しいし、今本人ここにいないから却下だな」

「って事は美作、大河原、三条、宮永家の保有する所で考えないと」

学校まで徒歩圏内の所で考えなければ。次々と上がってくる自分の家が保有する土地。皆は考えていてもきりがないと紙に書き出す。

「マンション、アパートを所有してる方が良いと思います。別荘とかになると使用人が住んでる可能性があるし、いつ誰が使うか分からない。それにまずつくしが遠慮します」

「それでいて今日からすぐ住めるようにガス水道電気のライフラインが整ってる所」

「マンションもあっけどな…誰が一番牧野の負担にならないかが大事だろ?」

確かにそうだよね。それが一番重要なのだ。皆は持っているマンションを書き出しを見ながらこの場所は駄目だ、ここは遠すぎる。談議を繰り返す。

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bkm
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