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「ねぇー総二郎さーん。まだ怒ってんの?」

「当たり前だろ!」

この顔じゃ女口説きにも行けねぇし!だからかよ。大事なのはそっちかと光は溜め息を吐いた。

「ねぇ、さっきから携帯鳴ってるけど出ないの?」

今女から誘いあってもいけねぇっての!名前も見ないでよく女だって分かるな。光はいらついている西門をなんとか外に出そうとしても、西門は頑なに外へ出ようとしなかった。そして今度は光の携帯が鳴った。

「はい、もしもし。あきらさん?どうし――」

「あきら?ちょっと貸して」

「ちょ、人の携帯を勝手に取るってどういう事!?」

光はいきなり携帯を取った西門を睨みつけた。やつ当たりもほどほどにして欲しいものだ。西門は電話を取ったと思えば話す事は無い。

「やっぱ返すわ」

ポンと携帯を投げられて光は首を傾げた。この行動に一体何の意味があったのか謎過ぎて仕方ないがまずは電話だと、耳をつけた。

「もしもし、すいません。光です」

《あ、光ちゃん!牧野が見つかった!》

「本当ですか!?」

《本当!類が見っけて、今司と迎えに行った。んで、俺らは集まって牧野を出迎えようって話してんだ。今から集まれる?》

光の顔はパァッと明るくなった。電話越しの相手は目の前にいないのに大きく頷いてしまう。

「あ、でも総二郎さんは不機嫌ボーイなので道明寺さんとは会わないと思います」

「不機嫌ボーイって何だ、バカ!」

「クッション投げるな!暴力反対!」

光は飛んできたクッションをそのまま投げ返した。

《な、光ちゃん。ちょっと総二郎から離れて話そうか》

「はい?」

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bkm
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