「さて、そろそろ時間かな。光ちゃん、類起こしてきて」
こっちはクラッカーの準備しとくから。光と美作は色んな事を喋り気がつけば時間が過ぎていた。時計を見てそろそろ来るだろうと立ち上がった。
「花沢さーん、そろそろ総二郎さん達が来ますよー起きて下さーい」
そう声をかけるも類は無反応。寝起き悪いと言う噂は本当だったらしい。それにしても綺麗な寝顔だ、そう思った。西門の寝顔も何回か見ているけれど、やはりF4と言われるだけあって整った顔は寝ていても健在だ、そう思った。光は類の顔にかかる髪に手を伸ばした。その時、類に手を掴まれ、光の体はビクリとたじろぐ。
「…お、起きてました…?」
「………手、つめた」
「え?あ、すいません…大丈夫ですか…?」
「………いや」
それだけ言うと類の瞼は再び閉じられた。おっと、この状況は困ったぞ。光は繋がれている手をジッと見た。いや、これは絶好のチャンス。
「花沢さん……。私、ちゃんと総二郎さんに言えましたよ…報告だけしておきますね」
光は小さく呟いた。これでしっかりと聞いてもらえたかは分からない。それでも報告だけはしておきたかった。もう騙してはいないから。類は相変わらず光の手を掴んでいた。光は小さく微笑んだ。
「あきらさーん!花沢さんが起きてくれませーん」
「あぁ、もう!類!何やってんだよ!」
そう言う声が少し離れた所から聞こえてきた。そして美作はぶつぶつ言いながら類を叩き起こした。強引に起こされた類もぶつぶつ言いながらなんとか起き上がった。部屋が開いて、美作と光はそれを出迎えた。
「よっ!あいつらどーだった?」
「…あいつらぜってー探偵にはなれねぇよ」
超バレバレ。西門は笑いながら呟いた。
「優紀ちゃんだ〜久しぶり」
「あ、光ちゃん!あたし、この前の事お礼言おうと思って」
「お礼?」
「…あの、わざわざ変装して、しかも殴ってくれたって。後から聞いて。その時は気付かなかったんだけど…ありがとう、光ちゃん」
優紀はほんわかした笑顔で光を見た。
「女殴ろうとする奴なんか殴られてとーぜん!むしろ頬腫れてんじゃないかと想像して笑えるくらい!ね、どうだった?」
「え、知らないよ。顔見てないもん」
「おぉ、優紀ちゃんも結構言うね!うん、いいと思う!」
光はそのまま優紀を抱きしめた。