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おぉ。これが携帯電話…。光は買ったばかりの携帯を手に取った。最新機器…。最新機器を手に入れたならとりあえず使ってみたくなる。そうすると一番手っ取り早いのは一人。光は手帳から西門の携帯番号を見て数字を打った。

《……もしもし、誰だ》

冷たい声。と言うかぐったりしてる声。

「もしもし?総二郎さん?光です。今携帯電話を買ったのでかけてみたんだけど…忙しかった?」

《光か!お前これから暇?暇だよな!?》

「え、あ、うん」

《今から遊園地連れて行ってやっから、お台場まで来い!》

それだけ言うと電話は切れてしまった。何だったんだ、あのテンションの落差は。でも、折角遊園地に連れて行ってくれると言うなら行くしかない。光は早速車を走らせて西門と電話で連絡を取りながら合流して驚いた。

「あ!光じゃん!何々、一緒に遊んでくれるの?」

「あれ、シゲルさん。ちょっと待って」

ぐったりとしている西門と美作に近寄ってこの状況は一体どういう事なのかを聞く。あぁ、この二人でシゲルさんを落とそうとしたけれど、不発で終わってるじゃない。だから難しいって言ったのに。

「お前体力バカじゃん。あいつと遊んでやれよ」

「体力バカって何だ!二人が体力無いだけじゃん。でも、遊園地、連れて行ってくれるんでしょう?」

「…何でもいいから勝手にしろ」

随分と適当だな。本当に疲れているらしい。でも二人きりではない。まぁ、これは後で弁解してもらって。光はシゲルのもとへと戻った。

「シゲルさん!これから遊園地行きませんか?私行った事が無いので、行ってみたいんです」

「おお!いいね!光は絶叫系行ける?」

「遊んだ事は無いですが…バンジーなら行けます」

お、なら行けるじゃん!私も友達と遊園地なんて初めてだから楽しみだな!そう言うと光も楽しみです、と小さく笑った。

「あのさ、あの二人。私に司を諦めさせる為に来たんでしょ?」

「え?」

気付いていたのか、勘も良いと。

「でも、私は司を諦めないよ。だからさ、思いっきり振り回してやろうかなって」

「あはは、いいんじゃないですか。たまにはあの女たらし達が振り回される姿も見てみたいし、同盟入ります?西門と美作の百発百中を下げる同盟」

なぁに、それ!シゲルと光は笑いながら遊園地がある方向へと向かって歩いて行く。

「…何だ、あいつら」

「とりあえず光ちゃんが来て、助かったのか、俺ら…?」

ぐったりする二人を連れて。



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