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年が明け、まだ冬休みが終わらない時の事、予定通り光は西門家身内で行われる新年会に顔を出した。新年会終了後、光お気に入りのカフェで二人お茶を飲む。

「そーいや、牧野がぶちきれた」

「…は?」

突然の西門の言葉に光は口をあんぐりと開いたまま固まった。ぶちぎれた?自分の知らない間に何があったと言うのだ。

「偶然なんだけどよ、牧野が中学のクラス会に俺らが居合わせてな、牧野と親しげに話していた男を司がぐいっと」

ぐいっと…?西門の手振りは頭を掴んで首をぐいっと曲げた様子。

「そ、それで!?」

「クラス会めちゃめちゃにして、挙句の果てに男好きってののしって、そんでもってどついて壁にたたきつけて。牧野は司に向かって大ッキライだ」

その状況を想像して、光はまただ…と小さく溜め息を吐いた。目の前の西門に相談しようか、そうも思ったがどうせ返ってくる答えは同じだろうとそれを飲み込んだ。

「俺、これから女と会う予定あんだけど、お前どうする?帰んなら会計済ましてくっけど」

「…美作さんに…これから美作さんに会いたいんだけど、アポ取ってもらえないかな?」

「はぁ?あきら?」

何であきらなんだ?西門がそう言えば光は色んな人の意見を聞きたいから、としか答えなかった。まぁ、いいか。と店の電話を借りて西門は戻ってきた。

「すぐ来れるってよ。この店教えておいたからお前ここで待機な」

「あ、うん。ありがとう」

それじゃあと西門は手をひらひら振りながら去って行った。その帰りにはちゃんと会計を済ませて行く事を忘れずに。その後ろ姿を見て相変わらずだと光は思った。

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bkm
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