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「あーもうやんなるね。冬休み早々バイト、バイトで」

「ほんと貧乏ひまなし」

貧乏じゃない人も隣にいるけれど…。つくしと優紀の二人は隣にいる光を横目で見た。間もなくお正月という事で団子は売り出しシーズンの為、バイトの三人は外で売り子をしていたのだ。流石に寒いと光は手を動かした。

「ところでつくし昨日どこ行ってたのよ。電話したのにいなかったじゃん」

「――べつにどこも」

あれ?道明寺さんとデートだったんじゃないのか?この前そういう話になったと思ったけれども…光は首を傾げながらつくしを見た。

「とか何とか言ってあのF4とかいう人達とデートだったんじゃないのォ?」

「で、デートなんかじゃないわよっ」

私はクリスマスに総二郎さんとデートした事になるのか?なるな。でも、何のうきうき感もないのはざっくりした性格のせいだろうか。クリスマスと言っても日本で代々続く家系で生まれればクリスマスなんてほぼ無関係だった。

「あたしの17歳の貴重なクリスマスを返してって感じの日だったんだからっ」

「つくし、一体何があったの?」

「そ、そんなことより!この団子売らなきゃ!」

一本につき5%の売り上げをくれるとおかみさんが言うが、そこまでのやる気は光にも優紀にも起きなかった。

「ちょ、ちょっとつくし」

「何よ優紀。あんたらもボサッとしてないで働きなさいよっ」

優紀が慌てて肩を叩くものだから一体何がと視線を移せば、道明寺を除いたF4の姿があった。

「よっボンビー牧野。休みだってゆーのに大変だねぇ勤労処女は」

「西門さん美作さん花沢類!?」

つーかあんたの婚約者も働いてるのが見えないのか!そういうと淡白によっと小さな挨拶。この二人の関係はこんなものだった。

「なにしに来たんですかこんなとこにっ!」

「なにしにってごあいさつだな。お、これ売り上げの5%もらえるんだって?俺達が売ったろーか」

「ええ!?あんた達がっ!?」

一体何を考えているんだか。光はぼんやりとそれを聞いていた。

「そ、俺らが声をかけりゃ一発だぜ」

売れるはずがないだろうとつくしは言うが、西門と美作が声をかければすぐに女の人が買うと集まってきた。

「えープレミアつきの団子はいかがですか?彼のキスつきです。1本千円!」

自分でやらない辺りが卑怯な所だな、光はぼんやりと少し離れた所からそれを見ていた。あまり巻き込まれたくない、そういう意味が込められているがそれはすぐに見つかってしまう。

「光!お前ももっと愛想振り撒いて売り子やれ!」

「えー!キスは嫌だ!自分でやれ!」

「男客も必要だろーが!」

「お前は婚約者になんつー事をやらせようとしてんだ、バカ!」

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bkm
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