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「え?優勝確実の出場者が永林から出る?」

西門の言葉に光は首を傾げた。何、それ。優勝確実って事は出来レースって事?

「しかもあの天草清之介の婚約者。次期国連大使の娘で、この大会の為に急遽アメリカから帰国。牧野と天草の記事読んで激怒したらしい。で、超美人なんだと」

「…だから何だって話だね」

関係無いと言う光に西門は呆れかえる。それに牧野が勝てると思っているのか、こいつは。

「…お前、分かってねーだろ…」

「だってつくしだよ?あの根性。絶対逆転する何かが起こると思う」

光は自信満々にニッと歯を見せるように笑った。

「…それ似た様な事司も言ってたぞ。何かお前と司、牧野に関しちゃ言う事一緒だな…」

それを聞いて光は少なからずショックを受けた。まさか、あの道明寺さんと一緒の発言だなんて…いくらF4と言えど素直に喜んで良いのか分からない。

「…私出来レースって嫌い。スポーツマンシップをバカにしてる」

「いや、スポーツではないな」

「…でも、その出来レースと言われた試合を意外な人が崩した瞬間は大好き!」

はいはい、良かったな。何故か興奮しながら話し始める光の頭を西門はそっと撫でた。撫でて疑問に思う。最近やけにこいつの頭に触るのが自然になってないか?そう思えば鳥肌が立ちうぇと思わず吐くフリ。

「つくし!」

「あれ、光…ごきげんよう」

うわ、何だその挨拶。光は軽くつくしの頭を叩いた。それに対してつくしは今何で叩かれたの?痛くはないけれども…首を傾げた。

「…私は全力でつくしを応援しますー!困った事があったら何でも言って」

「…あ、うん。ありがとう、光」

「じゃあ、まず私が着付け、教えてあげる。私に教えられたって事で少しは覚えられるんじゃないかな?」

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bkm
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