29 [ 2 / 2 ]

「なっ、なんだよ、そんな所につったって、まっ、まだそんなかっこしてんのか!」

道明寺はバスケをした時の格好のまま。この時期には当然肌寒い格好だった。

「つっ、つかれたろ、今日はゆっくり休め!なっ」

「だめよ」

なんとか誤魔化そうとした二人の前に出たのは椿だった。

「こういうことはかくしちゃだめ。司。類とつくしちゃん、ベッドルームに二人でいるの。たぶん朝まで出てこないわよ。あんたも男だったら男らしく見守ってあげなさい。わかってんでしょ?」

その椿の言葉に酔っ払いの戯言が入っていない事は確かだった。焦る西門と美作を前に司は予想外の反応を見せた。

「…類もなかなかやるじゃねーか。なあ?上等上等」

「つっ、司!」

「おまえそこまできたかっ!」

「…あんたやっぱいい男になったかも」

椿は小さく呟いた。

「俺はハラへってんだよ、なんか食わせろよっ!」

「よしきたっ。コック呼べ!」

「今夜はのみあかそーぜぇー!」

司の成長を目の当たりにして西門と美作のテンションは上がった。一方司は真剣な眼差し。光はその司の横顔をジッと見ていた。

「光!お前酌しろ!酌!」

「何で!?そんな夜の接客業みたいな事を…!」

「お前普段から接客業してんだろーが!」

酒注いだ事はないっての!接客イコールと全て繋げるのはどうかも思う。光は深い溜め息を吐いた。



prev next

bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -