「あら?あなたは?よもぎちゃんのお友達?」
よもぎちゃん?光は首を傾げて友達といえばつくしくらいだとつくしに視線を移すとつくしは小さく頷いた。
「初めまして、椿さん。宮永光と申します。つくしの友人で――」
「俺の婚約者」
「だそうです」
この雑な紹介にもだいぶ慣れた。むしろ飽きた。そして更に息まで合ってきたようだ。椿はそれに目を見開いて驚いた。
「なぁ、光。どうよ、俺のボールさばき」
「似合わないし、予想より上手くなかった。私の方が上手いよ。先攻でボールくれたら10秒以内にシュートしてみせる」
光が自信満々に言うと近くに居た美作は吹き出してから声を出して笑った。
「流石光ちゃん!俺光ちゃんのそういうざっくりしたトコ結構気に入ってんだよなー」
「流石に10秒じゃ入れさせねぇーよ!身長差考えろよ!」
「総二郎さん、バスケ経験者でしょう?しかも3on3に慣れてる感じがした」
よく分かるな、お前実はすげぇ?私目と耳は良いの。運動神経もね。今度勝負しよう?お前の勝負好きは男並だな!笑いを零すその光景を椿は見ていた。
「このまま家へ行くわよ!お疲れパーティーしましょ!皆で飲みましょー!勿論光ちゃんもね!」
え?え?光は首を傾げたまま以前のように囚われた宇宙人の如く連行される事になる。
終
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