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「つくし!今日は頑張ってね!応援してるね!」

何でここに光が?もしかしてあたしの応援に来てくれた?なんて優しい友人だと思った。英徳でもお嬢様でもこんなまともな人がいるのか、と感動した。が、光と別れて試合場所に行けば落胆する事になる。沢山のギャラリー。誰が言ったのか、光との感動が嘘のように消えて行った。

「賭け率9対1だぜ」

その声を聞いて光も落胆していた。純粋なスポーツが見れると思えば裏では賭け事。誰がこの事をもらしたのか、光はそれが婚約者である事を知らない。

「やべ、あれ宮永さんだぜ…」

「背後に立ったら殺されるぞ」

誰も殺しやしないわ!人ごみの中、光の周りだけがポツンと空いていた。試合は圧倒的に進むと思われた。なんせ道明寺と西門は180を越えている長身、それと争えるのは花沢類。類は道明寺をかわし、点数を稼いで行く。が、足を引っ張るつくしと和也。点差が開いた時類とつくしの仲良さそうな態度に道明寺はラフプレーを繰り返す。

「…つまんない」

光は小さく呟いた。全然熱狂出来ないんですけど、そりゃ心理戦も関係あると思うが、影響受けすぎだ。光は座り込んでそれをぼんやりと見ていた。こんな事だったら何かしていた方が…光はここでようやくつくしの立場を思い出した。残り30秒の時点でつくしにボールが回り緊張が漂う中、つくしはシュートを外した。周りでは退学コール。

「あぁ、もううるさいな!」

思わず光が発した言葉にその場がシンとなる。残り10秒、点差は1点。試合ももりあがる中道明寺は突然試合を放棄したのだ。そこに司の姉である椿が司をなんとか立ち上がらせてくれとその場を納得させた。取り残されたのは観客だけだった。

「つくし!頑張ったね!」

光は駆け出してつくしに飛びついた。

「あ、あたし汗臭いから」

何でそんな事気にしてんの?光は笑った。そしてその後ろに西門の姿を見ると声を出して笑う。

「汗まみれ!似合わないですー」

「何で牧野はよくて俺はだめなんだよ!?」

西門の大きな手は光の後頭部をぐしゃりと掴んだ。やめろ、手ぇ汚いんだから触るな!光は慌てて抗議した。

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bkm
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