「F4から花沢さんが外された?へぇ」
眉間に皺を寄せながらコーヒーを飲んだ西門と反面光は興味なさげに紅茶を飲んだ。何でも花沢類がつくしを道明寺司から奪ったとか何とか。そんなのつくしの意思によりけりじゃないか。
「…お前なぁ、これは一大事だぞ?いくら俺らが幼馴染だって言ったって、こんな事は無かったんだからな」
「なら、いい傾向なんじゃないかな。今までケンカしてもすぐ戻ってたんでしょう?ずっと同じメンバーだけで固まっているより良いと思う、私は」
「楽観的!しかもな、類の替わりに和也入れるって言うし、訳わかんねー」
和也?光は首を傾げた後考える。そう言えばつくしの友達でいじめられていた男の子の名前がそうだったような気がする。
「たまには殴り合いのケンカでもしてみれば良いの、私は好き。本気の男同士の殴り合い」
何なんだ、この女は…西門は小さな溜め息を吐いた。
「それで?もう良いかな?私この後舞踊の稽古があるのだけど」
「はいはい、勝手にどうぞ」
何で拗ねているんだ、この人は。光は溜め息を吐く。私に拗ねた所を見せたって何の母性本能も感じませんが?
「私に慰めて欲しかった?ごめんなさい、私F4に憧れているわけでもないし、自分の事でいっぱいいっぱいだからさ」
せめてこれだけ。光はそういうと伝票を手に取った。
「私が奢ってあげるから、この時間目一杯使って今後の事考えれば良いよ」
そういうと西門が止める間もなく光は店から出て行った。女に奢ってもらうなんて恥以外の何でもないっての。西門はまだカップに残っているコーヒーを口に含んだ。
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bkm