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「ま、結局のとこ俺達のような完璧な人間はレアってことだな」

自画自賛も良い所だ。光はあきれ返っていた。踵を返して自分のクラスへ帰ろうとすると肩を掴まれた。

「なぁ、お前ポケベル欲しい?」

「はぁ?」

「いや、司が牧野の為に買ったから、俺も仕方ないから買ってやろうかなと」

「いらない、興味ないです。そもそもそういう便乗好きなの?意外」

西門の言葉に光は首を傾げた。そして首を傾げて見えてくるのはこちらを見ている類の姿。

「あの、花沢さん、何か用ですか…?」

「いや…どこかで会ったのは確かなんだけど…」

どうやらどこかで会ったのではないかとまだ気にしていたようだった。意外に神経質なのか、はっきりさせたいタイプなのかもしれない。光は冷静に分析した。

「ねぇねぇ、総二郎さん。…もしかして、私ナンパされてる?」

「いや、違うな」

「でもね、どこかで会った事ある?って聞くのはナンパの常套句なんでしょう?プレイボーイさん」

「いやいや、そりゃ古いぜ。今時はこれから何か素敵な事が起こりそうな気がしない?二人で居れば、だな」

「ひぃ!寒い!」

お前が言わせたんだろ!西門は光の頭をぐぃっと押した。やめろーと手を外そうとするのは光の手。その姿を見て類は声を出して笑っていた。

「二人共面白っ!」

へぇ、類はこんなに笑うようになったのか。西門はそれに感心した。光は、花沢さんはこういう風に笑うんだ、新しいイメージだった。やっぱり会った事なんか無いと思うのだけれど、この妙に引っかかる感じは何だろうか。

「いい加減その手、どけて」

西門の手を振り払って考える。



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