「地味眼鏡の理由は!?」
「女の嫉妬と言うのは厄介なもので、過去に色々と失敗したので教訓として極力目立たない様に生活してました」
「え、あ、…宮永さん、英徳の生徒だったんだ…気付かなかった」
「ごめんね、牧野さん……それでね、私…」
言っても良いだろうか。拒否されないだろうか。ずっと騙していた事になる。それを責められたりはしないだろうか。
「ほら、光。はっきり言えって。お前黙ってんの苦手なタイプだろーが」
光はそれを聞いて西門をじっと見た。確かにそうだった。私は黙っている事が苦手で物事はっきり言ってしまうタイプだった。私より総二郎さんの方が詳しいみたいだ、光は小さく笑った。その言葉に背中を押されるように光は声を発する。
「…私、牧野さんと友達になりたい!嘘ついていた事は謝ります!」
そうして光は頭を下げる。下げた視線につくしの足が映った。
「…何言ってんの、宮永さん。あたし達もう友達じゃん。こんなに怪我させてごめん、巻き込んじゃったけど…助けてくれてすごい嬉しかった。あたし宮永さんにずっとお礼言いたかったんだ」
つくしの言葉に光は顔を上げた。その頬には涙が伝う。それをつくしがハンカチで丁寧に拭った。
「そのハンカチあげる。ずっと返したかったんだ」
「何で光は牧野とダチになりたいわけ?こんなちょー庶民と」
感動の雰囲気ぶち壊した西門の発言に光の涙は引っ込んだ。
「牧野さん格好良いじゃん!自分の意思曲げずに胸張って生きてる。それが私のなりたい人間だったって言うか、もうそろそろ我慢出来なくなったって言うか」
「にしても、お前女なのにやるな、あれ、一気当選」
どことなくイントネーションが違う司の言葉に突っ込んだのはつくし。
「一騎当千!あたしこそあの強さに感動した!男をばったばたと倒す姿は勇者だよね!」
「一騎当千?…光。お前、何やったんだ…」
呆れる西門に光は笑って答える。
「闘った!」
屋上に響き渡る光の声。
終