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「さて食おうぜー腹減ったー」

いつも通りの道明寺は置いておいて皆は料理の置いてある場所へ移動した。

「そういや会うの――あの朝以来だよな」

優紀と西門が話し始めたのを聞いて光はそそくさとその場を立ち去った。そして光が着物からドレスに着替えて戻って来るとそこに道明寺とつくしの姿はない。

「あれ?二人は?」

「さぁ。いなくなっちまった。まぁ二人きりにしてやっても良いだろって事」

そっか。それは良い事だろう。ようやく邪魔が入らないのだから私達が邪魔する必要も無い。横目で見た西門と優紀は未だ喋っているようだった。それを見ないフリして光は皿に手を伸ばす。

「よーし!今日はいっぱい食べちゃうよ!」

「今日はって…宮永先輩いつもいっぱい食べてるじゃないですか。シゲルさんと」

「最近根詰めすぎて疲れたからさ、たまにはリラックスしようと思って。それに最近こういう風に皆で集まる機会も無かったしね!」

さて、何を食べようかな。光は目移りしてしまう料理の数に目を光らせた。傍から見ればいつもの光。いつも以上に元気な光。だが、事情を知るものとしては空元気。美作は光に声をかけた。

「光ちゃん、ちょっといいかな?」

「はい?」

飲み物だけを取って光と美作はその場から離れた。

「…あれ、どう思う?」

あれ、と言うのはあの二人の事だろう。それ以外考えられない。

「あきらさん、それは言わない約束じゃないですか?」

「…この状況見るとさ、言わずにはいられないでしょ。流石に」

それもそうか。美作の気持ちも分からないではない。光は目を伏せた。

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bkm
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