じゃあ、今からでも確かめて見ようか?類の言葉に乗りたくなった。しばらく会っていなかった道明寺の様子も見たいし、光はそれに着いて行く事にした。
「道明寺さん家久しぶりだった」
お見舞いのケーキを持って光は呟いた。これならタマさん達の分も買ってくれば良かったかな?その声に西門は何もいらないだろ、と光の頭を撫でる。光はその心地良さに目を瞑った。
「お」
ん?何かあったかと思えば道明寺の家から必死に走ってくる海の姿があった。
「た、助けて。怖い…あの人」
海は顔を真っ青にしたまま言うのだ。
「どした?」
「い、いまね…何するかわかんねーぞってすごい目で、あたし、ただお見舞いに来ただけで」
その言葉を聞いて皆笑いを零した。
「はは」
「そっか」
「言われただけで良かったよ、な?」
「そうですね。あの人平気で女も殴りますからねぇ」
そしてとどめを刺す類の言葉。
「あんたの力量じゃ無理ってこと」
「だから関わるなって言ったのに」
つくしに敵う女なんてこの世にはいないのだから。
「おつかれ」
呆然とする海を置いて4人は歩き出した。
「あの人達も……な、なんなの」
そんな声は当然聞こえない。所詮住む世界が違う。つくしみたいに力が無いと関われないこの世界。
「なー思い出さね?あんときのこと」
「ああ俺も考えてた」
「皆考える事は同じですね」
「牧野が漁村に行ったあとの司だね」
皆は笑いながら話し、歩く。
「そそ、荒れてたもんなー」
「俺なんてあいつとマジで殴り合ったぜ」
「あの時の総二郎さん格好良かったよ、あの頬の絆創膏」
思い出して光は吹き出した。それを西門はうるせー笑うな!と声を出す。
「やっぱあいつは牧野がいねーとダメなんだよ」
その台詞を何回聞いた事か、何回思った事か。
終