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「あはははっ」

「さっきから類さん笑い過ぎ」

西門と美作の二人は女三人、主に桜子と光の行動に唖然といていたと言うのに類はよくやったと笑いを零すのだ。

「でもまだ海ちゃん通ってるっぽいぜ」

「どんだけ空気読めないの!?図太いにも程がある!」

光はテーブルにガンッと頭を打ち付けた。私達の言葉でもまだ懲りないとはもう悪意しか感じられない。

「すげーな。天然という名の悪意じゃん?」

また同じ事を思ってしまった。でも少し嬉しいような。光は伏せた顔の下で笑っていた。

「こえーよ、周りの空気読めねー奴は」

「普通の男ならあーゆうのにイチコロなんだろうな」

「自称天然に騙されるバカな男達ね」

「しゃーね。一肌脱ぐか、俺らで」

その作戦シゲルさんの時に失敗したのに、懲りない奴だな。そう思った。でも、それより類がそれに言葉を挟む。

「大丈夫だよ。俺はそういうふうにはなんないと思う」

「何を根拠にくるんだよ、類。その確信めいた発言は」

「んーだってあいつ野生動物だもん」

確かに。あの人は自分の直感だけで色々やってしまうタイプだ。光はうんうんと頷いた。

「あとあんな女に牧野は超えらんないよ」

いや誰にも超えられないよ、世の中の女全員。

「――そりゃあんな強烈な女二人といねーけど」

「でも牧野がもう――」

「大丈夫。俺達が思ってるよりずっとあの二人の絆は強いよ」

一体どこに根拠があんだよ…西門と美作は溜め息を吐いた。

「私は類さんのそういう考え方好き。私も信じてる」

だって目の前で奇跡が起こったんだもん。絶対今回も奇跡が起こるはず。

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bkm
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