「「マジで!?」」
学校で会ったつくしは驚くべき事を言う。この前道明寺の母親と会った時の事、1年という期間限定だが道明寺がこちらに居る事を認めた、という事はつくしとの付き合いを認めたと言う事だ。
「すげーじゃん、何それっ!」
「息子が死の淵に立って考えたんかな。あの母ちゃんも鬼じゃなかったってことか――」
「まあ油断はできねーけどな」
「それでも良いじゃないですか、進歩です」
うんうん。光は大きく頷いた。
「一応晴れて恋人同士じゃん」
「だなっ」
その言葉につくしは照れて目を逸らした。何を今更赤くなる事があるんだか。光もニヤニヤとしながらつくしを見た。
「あとは司だな。おまえも聞いたろ?」
後遺症が出るかもしれないと言う話だ。それに今道明寺は精密検査の為に会いにはいけない。それでもつくしは笑みを浮かべる。
「大丈夫。あいつ不死身だもん。犬並みの回復力あるし!」
「だな。あいつ人間離れしてっから大丈夫だよなー」
「だいたい心臓止まってまた動き出すとこがもうすげーよ」
「それは奇跡でしょう?」
愛の力、なんてくさい事は言えないから。でもそういう力があっても良いと思えた。道明寺の回復力を疑わなかったつくし達。だからこそ早く会って、早く治して、いつも通り、しかも今回は誰の邪魔もされずに楽しい日々を送れる、そう信じていたのだ。