「あいつらもー会えたかな。感動の再会じゃん?」
「司よろこぶだろーなー。なんせあの牧野が自分から司を探しに行くんだもんな」
「なんか…牧野のことだからまたずっこけてる気がするんだけど」
「「不吉な予想を言うな、類」」
でも、あの牧野ならなんとかやっていそうな気がする。それは自分達が知っているつくしに対する自信だった。
「あ、そうそう。和也に今日聞いてみたぜ」
「何だって?和也の家何かあったって言ってた?」
「や、別にフツーだってよ。そんで優紀ちゃんとこはどうよ、総二郎」
「ああ、まだ電話してねえ。類お前かけて」
西門は携帯を類に向けるも、類は知らない人間に電話しないと頑なに拒否した。が、西門は既に電話をかけており電話の向こうからもしもしと声がする。
「あの…あんた牧野の友達?えーと…最近なんかあった?」
「おまえ彼女と何かあったの?」
「ねーよ、別に」
「別に何もない?あ、そう、ども」
類はそのまま携帯を切り西門へそれを投げた。
「類、お前…非常識な切り方すんな…」
「うわ!携帯飛んできた!?」
思わぬ方向から声がしたと思えば教材を手に持った光だった。空いた手には西門の携帯があった。
「何だ、光じゃねぇか。つーか最初から光に頼めば良かったじゃねぇか!お前どこ居たんだよ!?」
「…そうだよ、宮永。俺電話嫌いだってのに」
「……はぁ?」
何でいきなり責められなきゃいけないんだ?光は眉間に皺を寄せた。どこに居たって普通の人間なら授業をちゃんと受けてるはずなんだよ!授業の移動中天気が良いからたまたまここを通っただけだ。で、そしたらいきなり携帯が飛んで来たから驚いているのはこっちだ。光は握った携帯をそのまま西門に放り投げた。
「で、優紀ちゃんと和也君の家に変化は?」
「ない。やっぱ同じ手は使わねーよな。あんだけの大企業トップは」
「もう牧野が出て二日か…電話かける金なんて持ってねえよな」
「マジで司退学届け出されてるみたいだよね。戻って来られるのかな。牧野無事ならいーけど」
つくしも道明寺もどちらも心配。もしあの二人が合流出来ていればこちらに何かしらの連絡があって良いものだが、その気配は全く無い。が、二人共そこまで気が回るとも思えない。あっさり帰ってくる可能性も捨てきれない。光はすっと立ち上がった。
「どこ行くんだ?」
「どこって授業に決まってるでしょーが。つくし達の事は心配だけど、自分の心配もしないと」
「んじゃ俺も行こ」
「あれ、類さんも授業受けるんですか?」
「まさか」
いや、普通は受けるもんなんですけどね。この人達は相変わらずだ。そして私も相変わらずだ。
終
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