「ねえっ、道明寺さんどこにいるか知らないの!?ねえっ!」
「桜子!落ち着いて!」
「そーだよ、牧野も知らねんだよ」
「だって、やだこんなの!」
とりあえず道明寺を探した方が良いかもしれない。椿に聞くのが一番だなと西門は携帯を取り出したが、それをつくしが止めた。
「なんで」
「お姉さんにはお姉さんの生活があるから。これ以上迷惑かけたくないの」
「迷惑っておまえ。じゃどうすんだよ?」
何か策でもあるのだろうか?つくしが手を伸ばしたと思えばそれはお弁当箱。
「お弁当食べるね」
「べ…べんとー食う?お前…一体何考えて」
そう聞いてもつくしは何も言わずにお弁当を食べ続ける。周りはそれを見ているだけだった。
「じゃあ、あたし行ってくるから」
「行くってどこへ?」
「約束したの。今度うちでお鍋しようとか。また今度平日に出かけようとか。昨日別れ際にまた明日ねって。約束は絶対に守らせる」
そう言ったつくしの顔は心強かった。不安なのかもしれない。それでもその不安は周りに見せない。そして道明寺への信頼が見えた。その顔を見たら何も言えない。桜子は一人止めようとしたが光達は微笑んでいる。
「牧野。優紀ちゃんや和也の家のことはまかしときな」
「そうだな。親父の会社の役員に転職してもらってもいーしな」
「目配らせておくよ、勿論ご両親もね」
「なんとでもなるさ。俺達だてにジュニアじゃないし」
だから思いっきりやってこい。その言葉につくしは綺麗な笑顔でお礼を言い、行ってくる。その言葉を残して道明寺が居るニューヨークへと飛んで行った。
終
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